2026年8月23日 18:05投稿
「歯磨きの時間になると逃げてしまう」
「着替えてと言っても、なかなか動いてくれない」
「お風呂に入るのを毎日嫌がる」
朝の支度から夜寝るまで、子どもにはたくさんの「しなければならないこと」があります。
一つひとつは短いことでも、毎日嫌がられると、保護者にとっても大きな負担になります。
忙しい朝に着替えてくれない。
寝る時間なのに歯磨きをしてくれない。
お風呂に誘うたびに怒る。
そんな日が続くと、
「どうして普通にやってくれないの?」
「毎日同じことで叱っている……」
と疲れてしまうこともあるでしょう。
しかし、子どもが嫌がることには、その子なりの理由が隠れている場合があります。
今回は、歯磨き・着替え・お風呂など毎日の生活を嫌がるお子さんに、どのように関わればよいのかを、できるだけ専門用語を使わずにご紹介します。
「やりたくない」だけとは限りません
子どもが着替えや歯磨きを嫌がると、
「面倒くさいだけでしょう」
「遊びたいから嫌がっているんでしょう」
と思うことがあります。
もちろん、遊びを続けたいだけということもあります。
しかし、それ以外の理由も考えてみましょう。
例えば歯磨きなら、
歯ブラシが口の中に当たる感じが嫌。
歯磨き粉の味が苦手。
口を開け続けることがつらい。
何をされるのか分からなくて怖い。
ということがあります。
着替えなら、
服のタグが気になる。
生地の感触が嫌。
服が身体に密着する感じが苦手。
着替える順番が分からない。
ということもあります。
お風呂なら、
シャワーの音が苦手。
顔にお湯がかかるのが怖い。
シャンプーのにおいが嫌。
お湯の温度が苦手。
裸になることに不安を感じる。
という場合もあります。
つまり、
「やりたくない」のではなく、「本人にとってやりにくい理由がある」
のかもしれません。
まず「何を嫌がっているのか」を見てみましょう
「お風呂嫌い」
「歯磨き嫌い」
とひとまとめにするのではなく、もう少し細かく見てみましょう。
例えば、お風呂の場合、
浴室に入ることはできる。
身体を洗うこともできる。
湯船にも入れる。
でも、頭を洗うときだけ激しく嫌がる。
というのであれば、
「お風呂そのものが嫌なのではなく、洗髪に苦手なことがある」
可能性があります。
歯磨きも同じです。
自分で歯ブラシを持つことはできるけれど、保護者が仕上げ磨きをすると嫌がる。
それなら、
「口の中を触られることが苦手なのかな?」
と考えることができます。
「何ができないか」だけではなく、
「どこまではできているのか」
を見ることが大切です。
「早くしなさい」を繰り返しても難しいことがあります
忙しい朝は、
「早く着替えて!」
「次は歯磨き!」
「もう学校に遅れるよ!」
と言いたくなります。
しかし、お子さんによっては、一度にたくさん言われると、
「結局、今何をすればいいの?」
と分からなくなることがあります。
そんな場合は、一つずつ伝えてみましょう。
「まずパジャマを脱ごう」
それが終わったら、
「次はシャツを着よう」
というようにします。
一度に全部伝えるより、行動しやすくなる場合があります。
朝の準備は「見えるようにする」
毎朝、
「顔を洗って」
「着替えて」
「ご飯を食べて」
「歯を磨いて」
「ランドセル持って!」
と何度も言っている家庭もあると思います。
この場合は、朝にすることを紙などに書いてみる方法があります。
例えば、
① トイレ
↓
② 着替え
↓
③ 朝ごはん
↓
④ 歯磨き
↓
⑤ 学校の準備
というようにします。
文字が分かりにくいお子さんなら、写真や絵でも構いません。
一つ終わったら、
「次は何だったかな?」
と一緒に確認します。
毎回保護者から指示されなくても、本人が自分で確認できる方法を少しずつ作っていきましょう。
「終わり」を分かりやすくする
子どもが嫌がる理由の一つに、
「いつ終わるのか分からない」
という不安がある場合があります。
例えば仕上げ磨きなら、
「きれいになるまで磨くよ」
より、
「上の歯を磨いて、下の歯を磨いたら終わりだよ」
と伝える方が分かりやすいことがあります。
お風呂でも、
「ちゃんと洗おうね」
ではなく、
「頭を洗う」
「身体を洗う」
「湯船に入る」
「出る」
と順番を示します。
「これをしたら終わる」
が分かると、少し頑張りやすくなるお子さんもいます。
遊びを突然終わらせない
楽しくゲームをしているときに突然、
「お風呂!」
と言われても、すぐに気持ちを切り替えられないことがあります。
これは大人でも同じです。
そのため、
「あと10分でお風呂だよ」
「あと5分だよ」
「これが終わったらお風呂にしよう」
など、少し前から知らせてみましょう。
大切なのは、
心の準備をする時間を作ること
です。
選べることを少し作ってみる
毎日の生活では、大人が決めなければならないこともあります。
「歯を磨かなくてもいい」
とはなかなかできません。
しかし、その中でも本人が選べることを作ることはできます。
例えば、
「赤い歯ブラシと青い歯ブラシ、どっちにする?」
「先に身体を洗う?頭を洗う?」
「青いシャツと白いシャツ、どっちを着る?」
などです。
「する・しない」ではなく、「どうするか」を選んでもらう
という方法です。
自分で決められる部分があると、取り組みやすくなる場合があります。
歯磨きを嫌がる場合
歯磨きが苦手な場合は、
「歯磨きが嫌い」
だけで終わらせず、何が苦手なのかを見てみましょう。
歯ブラシの硬さ。
歯磨き粉の味やにおい。
仕上げ磨きをするときの姿勢。
口を開けている時間。
歯ブラシを動かす強さ。
こうしたものが関係していることがあります。
例えば、歯磨き粉が苦手なら、年齢や口の状態なども踏まえて、使用方法について歯科医師や歯科衛生士へ相談してみる方法があります。
歯ブラシが硬く感じるなら、本人に合うものがないか相談してみるのもよいでしょう。
「歯磨きを嫌がる=歯磨きをさせない」ではなく、「どうしたら負担を少なくできるか」
を考えてみましょう。
お風呂を嫌がる場合
お風呂には、子どもにとってたくさんの刺激があります。
服を脱ぐ。
浴室へ入る。
シャワーの音を聞く。
身体にお湯が当たる。
シャンプーのにおいを感じる。
頭や身体を触られる。
濡れた身体をタオルで拭く。
これらの中に苦手なものがあるかもしれません。
特に頭を洗うときは、
顔にお湯がかかることを怖がっている
場合があります。
本人が何を嫌がっているのかを確認しながら、できるだけ負担の少ない方法を探してみましょう。
着替えを嫌がる場合
着替えの場合は、服そのものが苦手なことがあります。
例えば、
タグが肌に当たる。
縫い目が気になる。
首まわりがきつい。
身体に密着する。
生地がチクチクする。
ということがあります。
「せっかく買った服だから」
と無理に着せ続けるより、
本人がどんな服なら快適に着られるのか
を確認してみましょう。
タグのない服や、本人が好む素材などを選ぶことで、着替えがスムーズになる場合があります。
同じ服ばかり着たがる場合
「この服しか着ない」
というお子さんもいます。
保護者としては、
「いろいろな服を着てほしい」
と思うかもしれません。
しかし本人にとって、その服は、
「着たときの感覚が分かっている」
「安心して着られる」
という大切な服なのかもしれません。
生活上問題がなければ、無理にすべて変える必要はありません。
例えば、同じような素材や形の服を少しずつ増やしていく方法もあります。
安心できるものを残しながら、選択肢を少しずつ広げていく
と考えてみましょう。
できない部分だけ手伝う
着替えを全部保護者がしてしまえば早く終わることもあります。
しかし、本人ができる部分まで毎回大人がしてしまうと、自分でする経験が減ってしまいます。
例えば、
シャツは自分で着られる。
ボタンだけ難しい。
という場合なら、
ボタンのところだけ手伝う
という方法があります。
歯磨きも、
まず本人が磨く。
最後に保護者が必要な部分を仕上げる。
という方法があります。
全部を、
「自分でやりなさい」
または、
「全部大人がやる」
の二択にしないことも大切です。
できたことを具体的に伝える
例えば、
「今日は自分からパジャマを脱げたね」
「歯磨き、最後までできたね」
「今日は自分でシャツを選べたね」
など、できたことを具体的に伝えてみましょう。
単に、
「えらいね」
だけではなく、
「何ができたのか」
を伝えることがポイントです。
本人自身も、
「今日はここまでできた」
と分かりやすくなります。
毎日完璧にできなくても大丈夫
昨日は一人で着替えられたのに、今日は、
「やって」
と言うこともあります。
疲れている日。
眠い日。
学校で嫌なことがあった日。
体調が良くない日。
大人でも、毎日同じように動けるわけではありません。
子どもも同じです。
昨日できたから、
「今日も絶対できるはず」
とは限りません。
本人の様子を見ながら、必要なときには少し手伝ってもよいでしょう。
「できること」と「毎日一人でできること」は違います
一度できたことを見ると、
「もうできるようになった」
と思うことがあります。
しかし、
静かな場所ならできる。
時間に余裕があればできる。
保護者が声をかければできる。
疲れていなければできる。
という場合もあります。
そのため、
「一度できた=いつでも一人でできる」
とは考えず、どんな状況ならできるのかを見てみましょう。
保護者も「朝から叱ってばかり」と悩むことがあります
朝は時間がありません。
その中で、
起こす。
着替えさせる。
朝食を食べさせる。
歯磨きをする。
学校へ送り出す。
これだけのことを毎日行うのは大変です。
予定どおり進まなければ、保護者がイライラしてしまうこともあります。
だからこそ、
「叱らないように頑張る」だけで解決しようとしないこと
も大切です。
前日の夜に服を用意する。
持ち物を準備する。
朝の予定表を作る。
本人が選ぶものを減らしておく。
少し時間に余裕を持たせる。
など、環境を変える方法も考えてみましょう。
学校や園でうまくできているなら方法を聞いてみる
家庭では着替えに時間がかかるのに、
「学校の体育では自分で着替えていますよ」
と言われることがあります。
そんなときは、
「学校ではどうやって声をかけていますか?」
と聞いてみましょう。
例えば学校では、
手順が決まっている。
周りの子どもを見て分かる。
先生が短く声をかけている。
着替える時間がはっきりしている。
といった違いがあるかもしれません。
学校でうまくいっている方法を家庭で取り入れる
こともできます。
反対に、家庭でうまくいっている方法を学校や園へ伝えることも大切です。
「できるようにする」だけが目的ではありません
歯磨き。
着替え。
お風呂。
大人になるまでに身につけてほしいことはたくさんあります。
しかし、
できるだけ早く一人でできるようにすることだけが目標ではありません。
困ったときに、
「手伝って」
と言えること。
苦手なことを、
「これが嫌」
と伝えられること。
自分に合う方法を知ること。
こうしたことも、生活していくうえで大切な力です。
相談を考えた方がよい場合
歯磨きや着替え、お風呂を嫌がること自体は、多くの子どもに見られます。
ただし、
・毎日の生活に非常に大きな影響が出ている
・歯磨きがほとんどできず、口の状態が心配
・入浴や洗髪が長期間ほとんどできない
・着られる服が極端に限られて生活に困っている
・少し触られるだけでも非常に強く嫌がる
・毎回激しいパニックになる
・本人や家族だけでは対応が難しい
などの場合は、一度相談してみてもよいでしょう。
内容に応じて、
小児科。
歯科。
園や学校。
市区町村の子ども・発達についての相談窓口。
児童発達支援。
放課後等デイサービス。
などへ相談する方法があります。
最後に
毎日同じことを嫌がられると、
「もう何回言えば分かるの?」
と思うこともあるでしょう。
しかし、
歯磨きを嫌がる。
着替えない。
お風呂に入りたがらない。
という行動だけを見るのではなく、
「この子は、どこで困っているのだろう?」
と少し考えてみてください。
歯ブラシの感触が嫌なのかもしれません。
服のタグが気になるのかもしれません。
シャワーが怖いのかもしれません。
遊びから気持ちを切り替えることが難しいのかもしれません。
次に何をすればいいのか分からないのかもしれません。
理由が分かれば、
「早くしなさい」
を繰り返す以外の方法が見つかることがあります。
予定を見えるようにする。
一つずつ伝える。
終わりを分かりやすくする。
少し前から知らせる。
選択肢を用意する。
難しいところだけ手伝う。
そして、
できたところを見つける。
毎日の生活習慣は、一日で身につくものではありません。
昨日より一つ自分でできた。
今日は嫌だと言葉で伝えられた。
以前より短い時間で準備できた。
そんな小さな変化を積み重ねながら、
その子自身が無理なく生活できる方法を一緒に探していきましょう。
※本コラムは、子育てや福祉に関する一般的な情報提供を目的としています。お子さんの状態や必要な支援は一人ひとり異なります。日常生活への影響が大きい場合や、歯・口腔、皮膚、身体の状態などについて心配がある場合には、内容に応じて医療機関、歯科医療機関、教育・福祉などの専門機関へご相談ください。
「白いご飯しか食べてくれない」
「野菜をほとんど食べない」
「初めて見る料理には手をつけようとしない」
「同じメーカーの同じ食品しか食べてくれない」
お子さんの食事について、このような悩みを持つ保護者の方もいらっしゃると思います。
せっかく作った料理を食べてもらえなかったり、毎日同じものばかり食べていたりすると、
「栄養は大丈夫かな?」
「好き嫌いを許していていいの?」
「もっと厳しく食べさせた方がいいのかな?」
と心配になることもあるでしょう。
しかし、子どもが食べられない理由は、単なる「好き嫌い」だけとは限りません。
今回は、偏食があるお子さんについて、保護者がどのように考え、関わっていけばよいのかを、できるだけ専門用語を使わずにご紹介します。
「食べない=わがまま」とは限りません
子どもが料理を食べないと、
「好き嫌いしているだけ」
「食べたくないからわがままを言っている」
と思ってしまうことがあります。
しかし、本人にとっては、
「食べたくない」のではなく「食べることが難しい」
場合があります。
例えば、
・においが強く感じる
・食感が苦手
・口の中に残る感じが嫌
・熱さや冷たさが苦手
・見た目がいつもと違う
・食べ慣れていないものが不安
などです。
大人には気にならない程度でも、本人にとっては強い不快感になっていることがあります。
「味」だけが原因とは限りません
偏食というと、
「味が嫌いなんだろう」
と思うかもしれません。
しかし、食べ物には味以外にもさまざまな特徴があります。
例えば、トマトなら、
赤い色。
独特のにおい。
皮の感触。
中の柔らかさ。
種の食感。
口の中で汁が出る感覚。
などがあります。
本人は味そのものではなく、
「口に入れたときの感触が嫌」
なのかもしれません。
「嫌いだから食べない」と考えるだけではなく、
「この子は、この食べ物の何が苦手なのだろう?」
と考えてみることが大切です。
同じ食べ物でも「形が違うと食べられない」ことがあります
「家ではポテトを食べるのに、お店のポテトは食べない」
「いつものヨーグルトは食べるけれど、別の商品は食べない」
ということもあります。
大人からすると、
「同じ食べ物でしょう?」
と思うかもしれません。
しかし本人にとっては、
色。
形。
におい。
食感。
パッケージ。
大きさ。
などが違えば、**「別の食べ物」**のように感じる場合があります。
「いつも食べているから、これも食べられるはず」
と考えすぎないようにしましょう。
初めて見る食べ物が怖いこともあります
初めて見る料理をすぐに食べられる子どももいれば、強く警戒する子どももいます。
本人にとっては、
「どんな味がするの?」
「口に入れたらどんな感じ?」
「嫌なものだったらどうしよう」
と、不安なのかもしれません。
そのような場合、
「一口だけだから!」
と無理に口へ入れると、
「知らない食べ物=怖いもの」
という経験になってしまうこともあります。
まずは食卓に置いてあるだけでも構いません。
「一口食べなさい」が難しい場合も
保護者としては、
「食べてみないと分からないでしょう」
と思うでしょう。
確かに、一口食べたことをきっかけに、
「おいしかった!」
となることもあります。
しかし、強い苦手さがあるお子さんの場合、
一口食べること自体が非常に大きな挑戦
になっている場合があります。
そんなときは、
食卓に置く。
見る。
触ってみる。
においをかいでみる。
お皿に少しだけ載せる。
舌で少し触れてみる。
というように、食べるまでの段階を小さく考えてみてもよいでしょう。
「食べられた量」だけを成功にしない
新しい食べ物を口に入れられなかったとしても、
「今日は触れた」
「お皿に載せても嫌がらなかった」
「においを確認できた」
ということも、小さな変化です。
昨日まで見るだけで嫌がっていたものを、今日は触ることができた。
それも一歩かもしれません。
「全部食べられたか、まったく食べられなかったか」
だけで考えないようにしてみましょう。
食べられるものをすべて取り上げない
「好きなものばかり出すから偏食が治らないのでは?」
と考えて、食べられるものを出さないようにすることもあるかもしれません。
しかし、食べられるものが非常に少ないお子さんの場合、それをすべてなくしてしまうと、食事そのものが大きな不安になる可能性があります。
例えば、
安心して食べられるもの+少し挑戦するもの
という組み合わせにする方法があります。
食べられるものを確保しながら、少しずつ経験を広げていくという考え方です。
「食べたらデザート」は使い方に注意
「野菜を食べたらアイスをあげる」
という方法を使うこともあると思います。
短い期間では、食べるきっかけになる場合があります。
一方で、
「野菜=我慢しなければならない嫌なもの」
「アイス=我慢した後にもらえる良いもの」
という印象を強めてしまうこともあります。
ごほうびだけに頼るのではなく、
「少し触れたね」
「初めて口に入れられたね」
など、できたこと自体を認めることも大切です。
調理方法を変えると食べられることがあります
同じ食材でも、調理方法によって食感やにおいは大きく変わります。
例えば、にんじんでも、
生のにんじん。
柔らかく煮たにんじん。
細かく切ったにんじん。
すりおろしたにんじん。
焼いたにんじん。
では、かなり違います。
「にんじんが嫌い」
と決めつけず、
「この調理方法が苦手なのかもしれない」
と考えることもできます。
ただし、無理にいろいろ試し続ける必要はありません。
本人の様子を見ながら少しずつ試してみましょう。
食材をこっそり混ぜる方法は慎重に
野菜を食べてほしいからと、本人に分からないよう細かくして料理へ混ぜる方法もあります。
うまくいく場合もありますが、注意も必要です。
本人が気づいたとき、
「好きな料理にも何か入っているかもしれない」
と不安になり、それまで食べられていた料理まで食べられなくなることがあります。
特に、食べ物への警戒が強いお子さんの場合は、
安心して食べられる食品への信頼を守ること
も大切です。
食事を「叱られる時間」にしない
偏食が続くと、毎日の食卓で、
「野菜も食べなさい」
「残したらダメ」
「一口くらい食べられるでしょう」
というやりとりが増えてしまうことがあります。
すると本人にとって、
食事=叱られる時間
になってしまうことがあります。
食事は毎日のことです。
毎回の食事が親子双方にとって苦しい時間になってしまうと、食べることへの不安がさらに強くなることもあります。
まずは、
安心して食卓に座れること
も大切にしてみましょう。
食事をする場所にも注目してみる
食べ物そのものではなく、食事をする環境が負担になっていることもあります。
例えば、
テレビの音が大きい。
家族の話し声が気になる。
食器の音が苦手。
料理のにおいが混ざる。
学校の給食では周囲が騒がしい。
などです。
家庭では食べられるのに学校では食べられない場合などは、
「食べ物」だけでなく「食べる場所」
にも目を向けてみましょう。
学校給食が苦手な場合
家庭では食事ができていても、学校給食になると難しいお子さんもいます。
給食には、
決められた時間。
さまざまなにおい。
周囲の子どもの声。
食器の音。
普段とは違う料理。
など、家庭とは違う要素があります。
「家では食べられるのだから学校でも食べなさい」
と考えるだけではなく、
学校では何が負担になっているのか
を確認してみましょう。
必要であれば、担任の先生などに、
「家庭ではこのくらい食べています」
「この食感が特に苦手です」
など、家庭での様子を伝えてみてもよいでしょう。
食べられるものを記録してみる
偏食が強い場合は、食べられるものを簡単に書き出してみる方法があります。
例えば、
白ご飯 ○
食パン ○
うどん ○
卵焼き ○
にんじん △
トマト ×
というような簡単なもので構いません。
さらに、
「生なら食べられる」
「細かくすれば食べられる」
「このメーカーなら食べられる」
などを書いてみます。
すると、
「思っていたより食べられるものがある」
と気づくこともあります。
また、どんな食感や味を好んでいるのかが見えてくることもあります。
食べられるものから少しずつ広げる
まったく違う食べ物へ挑戦するより、
今食べられているものに近い食品
から広げる方法もあります。
例えば、
いつもの食パンが食べられる。
↓
違う形の食パン。
↓
少し焼いた食パン。
↓
似た食感のパン。
というように、ほんの少し違うものを経験します。
一気に「何でも食べられるようにする」のではなく、
食べられる範囲を少しずつ広げる
という考え方です。
「完食」を目標にしすぎない
子どもによって食べられる量は違います。
また、その日の体調や運動量などによっても食欲は変わります。
毎回、
「全部食べなさい」
と完食だけを目標にすると、食事そのものが負担になることがあります。
もちろん、食事量が極端に少ない場合などは別の対応が必要ですが、
「残さないこと」だけを食事の成功にしない
ことも大切です。
周りの子どもと比べない
「同じ年の子は何でも食べているのに」
「きょうだいは野菜も食べるのに」
と比べたくなることもあると思います。
しかし、食べ物の感じ方や食べられる量には個人差があります。
周りと比べるより、
「この子は半年前と比べてどうだろう?」
という視点で見てみましょう。
以前は見るだけで嫌がっていたものに触れるようになった。
一種類食べられるものが増えた。
自分から「これは苦手」と伝えられるようになった。
そうした変化も大切です。
保護者自身が疲れてしまうこともあります
偏食への対応は、毎日のことなので保護者にとっても大きな負担になる場合があります。
一生懸命作った料理を食べてもらえない。
家族全員の料理と別に作らなければならない。
外食できる場所が限られる。
学校給食について心配する。
こうしたことが続けば、疲れてしまうのも当然です。
「毎食、必ず新しいものを食べさせなければ」
と考えすぎなくても構いません。
家庭全体が無理なく続けられる方法を考えることも大切です。
こんな場合は一度相談を
偏食には個人差がありますが、次のような場合は、医療機関などへ相談することを考えてみましょう。
・食べられる食品が非常に少ない
・食事量が極端に少ない
・体重が減ってきた
・身長や体重の増え方について心配がある
・食べ物を飲み込むことが難しそう
・食事中に頻繁にむせる
・食べると何度も吐いてしまう
・特定の食品を食べると体調が悪くなる
・水分も十分に取れない
・食事のたびに非常に強い不安やパニックが起こる
このような場合は、
「好き嫌いが多いだけ」
と自己判断せず、かかりつけの小児科などへ相談してください。
必要に応じて、食事や発達について詳しく相談できるところにつないでもらえる場合があります。
偏食を「治すこと」だけを目標にしない
保護者としては、
「何でも食べられるようになってほしい」
と思うかもしれません。
もちろん、食べられる食品が増えることは本人の生活の幅を広げることにもつながります。
しかし、
「好き嫌いを完全になくす」
ことだけを目標にする必要はありません。
大人にも苦手な食べ物があります。
まずは、
必要な栄養や水分を取れること。
安心して食事ができること。
自分の苦手なものを伝えられること。
少しずつ食べられるものを増やしていくこと。
そうしたことを大切にしてみましょう。
最後に
子どもが食べてくれないと、
「どうして食べないの?」
「せっかく作ったのに」
と思うことがあります。
しかし、その子にとっては、
「食べたくない」
ではなく、
「食べたいけれど、この食感はどうしても苦手」
「知らない食べ物だから怖い」
「においが強くてつらい」
ということなのかもしれません。
だからこそ、まず、
「この子は、なぜこれを食べにくいのだろう?」
と考えてみてください。
見る。
触る。
においを確認する。
お皿に載せる。
少しだけ口にしてみる。
食べ物に慣れる方法は、一つではありません。
そして、
昨日食べられなかったものを今日食べさせることだけが、成長ではありません。
安心して食卓に座れた。
嫌なものを「嫌」と伝えられた。
初めての食べ物に触れた。
一口だけ試してみた。
そうした小さな変化も大切にしてみましょう。
偏食を、
「わがままだから直す」
と考えるのではなく、
「この子が安心して食べられるものを守りながら、食べられる世界を少しずつ広げていく」
と考えてみてはいかがでしょうか。
焦らず、その子のペースに合わせて進めていくことが大切です。
※本コラムは、子育てや福祉に関する一般的な情報提供を目的としています。食べられる食品や必要な栄養量などは、お子さんによって異なります。体重減少、成長についての心配、飲み込みにくさ、繰り返す嘔吐、水分が取れないなどの症状がある場合は、医療機関へご相談ください。
2026年8月18日 18:35投稿
「今日、どこに行くの?」
「何時に帰るの?」
「明日は学校?」
「あと何分?」
一度答えたはずなのに、少しするとまた同じことを聞いてくる。
何度も続くと、
「さっき答えたでしょう」
「何回聞くの?」
と言いたくなることもあると思います。
しかし、同じ質問を繰り返すことには、その子なりの理由が隠れている場合があります。
今回は、子どもが同じことを何度も聞く理由と、保護者としてどのように接すればよいのかを、できるだけ専門用語を使わずにご紹介します。
「分かっていないから聞く」とは限りません
同じ質問を繰り返していると、
「説明を理解できていないのかな?」
と思うかもしれません。
もちろん、質問の答えを十分に理解できていない場合もあります。
しかし、答えを分かっているのに何度も確認するお子さんもいます。
例えば、
「明日は学校だよ」
と本人が分かっていても、
「明日は学校?」
と何度も聞くことがあります。
この場合、答えそのものを知りたいのではなく、
確認することで安心しようとしている
可能性があります。
「確認すると安心する」ということがあります
大人でも、大切な予定がある前日に、
「集合は10時だったよね」
「持ち物はこれで全部だったよね」
と何度か確認したくなることがあります。
子どもにも同じようなことがあります。
特に、予定が変わることを苦手に感じるお子さんや、先の見通しが分からないと不安になりやすいお子さんの場合、何度も質問することで安心しようとすることがあります。
そのため、
「しつこく聞いている」
と考えるだけではなく、
「何か心配なのかな?」
「確認すると安心するのかな?」
と考えてみることも大切です。
会話そのものを楽しんでいる場合もあります
質問の答えではなく、保護者とのやりとりそのものを楽しんでいる場合もあります。
例えば、
「明日はどこに行くの?」
「公園だよ」
「どこの公園?」
「いつもの公園だよ」
という会話です。
こうしたやりとりが、本人にとって安心できる時間になっていることもあります。
また、
「何を話せばいいのか分からないから、知っている質問を繰り返している」
という場合も考えられます。
「質問をやめさせる」ことだけを考えるのではなく、その質問が本人にとってどんな意味を持っているのかを見てみましょう。
まず「いつ質問が増えるのか」を見てみましょう
同じ質問が多い場合は、
どんなときに質問が増えるのか
を少し観察してみると、理由を考える手がかりになります。
例えば、
・初めての場所へ行く前
・学校へ行く前
・予定が変更されたとき
・疲れているとき
・寝る前
・保護者が忙しくしているとき
などです。
「病院へ行く日の朝は質問が多い」
「翌日の予定が分からないと何度も聞く」
といった傾向が分かれば、質問の背景にある不安や困りごとを考えやすくなります。
予定を「見えるようにする」
予定について何度も確認する場合は、言葉で答えるだけではなく、
本人が自分で確認できる方法
を作ってみましょう。
例えば、紙に、
朝ごはん
↓
着替え
↓
学校
↓
帰宅
↓
夕食
というように、その日の予定を簡単に書いておきます。
文字だけでは分かりにくい場合は、写真や絵を使っても構いません。
「今日はどこに行くの?」
と聞かれたら、
「予定表を一緒に見てみよう」
と確認します。
本人が自分で予定を確認できるようになることで、何度も質問しなくても安心できるようになる場合があります。
「あと何分?」を何度も聞く場合
出発や終了までの時間を何度も確認するお子さんもいます。
「あと何分?」
「もう5分経った?」
「何時に出るの?」
と繰り返す場合です。
この場合、
あとどのくらい待てばよいのか分からないことが不安
なのかもしれません。
例えば、タイマーを使って、
「タイマーが鳴ったら出発するよ」
と伝える方法があります。
本人が自分で残り時間を確認できるようにすると、安心しやすくなる場合があります。
予定が変わるときは、できるだけ早めに伝える
何度も予定を確認するお子さんにとって、突然の予定変更は大きな不安につながることがあります。
変更が分かったら、できるだけ早めに伝えてみましょう。
例えば、
「今日は公園へ行く予定だったけれど、雨だから行かないよ」
だけではなく、
「その代わり、家で映画を見よう」
というように、その後の予定まで伝えます。
「何がなくなったのか」だけではなく、
「代わりに何をするのか」
まで分かると、気持ちを切り替えやすくなることがあります。
毎回長く説明しなくても大丈夫
同じ質問を10回されたからといって、10回とも詳しく説明し直す必要はありません。
一度きちんと答えた後なら、
「10時だよ」
「予定表を見てみよう」
「さっき確認したとおりだよ」
など、短く答える方法もあります。
大切なのは、
怒って質問をやめさせることではなく、自分で確認できる方法を少しずつ増やしていくこと
です。
「何回聞くの!」と言いたくなることもあります
保護者も人です。
同じことを何度も聞かれれば、疲れることがあります。
特に忙しい朝に、
「何時に行くの?」
「何時に行くの?」
と何度も聞かれれば、つい、
「さっき言ったでしょう!」
と言いたくなることもあるでしょう。
そのようなときは、
「答えはさっきと同じだよ。予定表を見てみよう」
と短く対応する方法もあります。
保護者が毎回すべての質問に長く付き合い続ける必要はありません。
本人にとって分かりやすく、家族にとっても無理のない方法を探していきましょう。
「同じことを聞かないで」と禁止しすぎない
何度も同じ質問をされると、
「もう同じことを聞かないで」
と言いたくなることがあります。
しかし、質問そのものを禁止してしまうと、本当に分からないときや困ったときにも質問しにくくなってしまうことがあります。
人に、
「分からない」
「教えて」
「どうすればいい?」
と聞くことは、とても大切な力です。
目標は、
「質問しない子にすること」ではありません。
必要なときには質問しながら、自分でも確認できる方法を少しずつ増やしていくことです。
「質問の奥にある気持ち」を言葉にしてみる
何度も質問する背景に不安がある場合、
「心配」
「分からない」
「確認したい」
といった言葉を覚えることも役立ちます。
例えば、
「明日は学校?」
という質問が何度も続いたら、
「明日のことが心配なのかな?」
と聞いてみます。
本人が、
「心配」
と言えたら、
「心配だったんだね。一緒に明日の予定を確認しよう」
と対応できます。
このように、
質問そのものだけではなく、その奥にある気持ちを伝える方法
を少しずつ増やしていくことも大切です。
好きなことについて何度も質問する場合
電車。
恐竜。
アニメ。
ゲーム。
好きなものについて、同じ質問を何度もするお子さんもいます。
この場合は、不安ではなく、
「好きなことについて誰かと話したい」
という気持ちがあるのかもしれません。
すべてを止める必要はありません。
ただ、家族が疲れてしまうほど続くのであれば、
「電車の話は夕食の後にしよう」
「今から10分、一緒に話そう」
など、話す時間を決める方法もあります。
本人の好きなことを大切にしながら、家族にとっても無理のない付き合い方を探してみましょう。
「自分で確認できた」ことを認める
予定表を見て自分で確認できたとき、
「自分で確認できたね」
と伝えてみましょう。
「あと何分?」と聞く前にタイマーを確認できたら、
「自分で見られたね」
と伝えます。
大げさに褒める必要はありません。
できたことを具体的に伝えること
が大切です。
少しずつ、
「聞かなくても自分で分かる」
という経験を増やしていきましょう。
学校や園でも同じ質問をしている場合
家庭だけではなく、学校や園でも同じ質問を繰り返している場合は、先生にも様子を聞いてみましょう。
例えば、
「どんな場面で質問が増えますか?」
「予定が変わるときに多いですか?」
「学校ではどのように予定を伝えていますか?」
などです。
家庭では気づかなかったきっかけが分かることがあります。
反対に、学校では予定表を使うとうまくいっているなど、家庭でも取り入れられる方法が見つかるかもしれません。
家庭と学校で、
「この子には、どんな伝え方が分かりやすいのか」
を共有していくことも大切です。
「何度も聞くこと」だけを直そうとしない
繰り返し質問している姿だけを見ると、
「この癖を直さないと」
と思うかもしれません。
しかし、その質問が、
「不安だから」
「予定が分からないから」
「安心したいから」
出ているのであれば、質問だけを止めても不安そのものは残ります。
そのため、
「どうしたら質問をやめさせられるか」
だけではなく、
「どうしたら、この子が安心できるだろう?」
と考えてみてください。
予定が分かれば安心するのであれば、予定表を使う。
時間が分かれば安心するのであれば、タイマーを使う。
変更が不安なら、早めに知らせる。
その子に合った方法を探していきましょう。
相談した方がよい場合
同じ質問を繰り返すことだけで、すぐに問題があると考える必要はありません。
ただし、
・確認できないと強い不安やパニックになる
・質問が非常に多く、日常生活が進まない
・学校生活や家庭生活に大きな影響が出ている
・本人自身も何度も確認することにつらさを感じている
・ほかにも発達やコミュニケーションについて気になることがある
といった場合には、一度相談してみてもよいでしょう。
相談先としては、
・保育園や幼稚園、学校
・市区町村の子どもや発達についての相談窓口
・児童発達支援
・放課後等デイサービス
・医療機関
などがあります。
「このくらいで相談してもいいのかな?」
と迷う場合でも、まず困っていることを話してみるところから始めて構いません。
最後に
子どもが同じことを何度も聞いてくると、
「ちゃんと聞いていなかったの?」
「さっき答えたでしょう」
と思ってしまうことがあります。
しかし、繰り返す質問には、
「予定を確認して安心したい」
「この先どうなるのか分からなくて心配」
「好きなことについて話したい」
「どうやって会話を続ければいいのか分からない」
など、さまざまな理由が隠れていることがあります。
だからこそ、
「どうしたら質問をやめさせられるだろう?」
だけではなく、
「どうして何度も確認したくなるのだろう?」
と考えてみてください。
予定表を見る。
タイマーを確認する。
写真や絵を見る。
「心配」と言葉で伝える。
本人が自分で安心できる方法を一つずつ増やしていくことが大切です。
そして、保護者も毎回長く答え続ける必要はありません。
本人の安心を大切にしながら、家族にとっても無理のない方法を探していきましょう。
同じ質問を繰り返すという行動だけを見るのではなく、その奥にある、
「知りたい」
「安心したい」
「伝えたい」
という気持ちに目を向けること。
そこから、その子に合った関わり方が見えてくることがあります。
※本コラムは、子育てや福祉に関する一般的な情報提供を目的としています。お子さんの状態や必要な支援は一人ひとり異なりますので、個別の判断が必要な場合は、医療・教育・福祉などの専門機関へご相談ください。
「嫌なことがあっても、うまく説明できない」
「何がしたいの?と聞いても答えられない」
「言葉はたくさん話せるのに、自分の気持ちになるとうまく伝えられない」
「言葉より先に泣いたり怒ったりしてしまう」
お子さんにこのような様子があると、
「もっと自分の気持ちを言えるようになってほしい」
「学校で困ったとき、ちゃんと先生に伝えられるのかな」
と心配になる保護者の方もいらっしゃると思います。
自分の気持ちを言葉で伝えることは、大人が思っている以上に難しいことがあります。
今回は、言葉で気持ちを伝えることが苦手なお子さんに対して、家庭でどのような関わりができるのかを、できるだけ専門用語を使わずにご紹介します。
「話せる=気持ちを伝えられる」とは限りません
普段たくさん話しているお子さんでも、
「今日、学校で何が嫌だったの?」
「どうして怒ったの?」
と聞かれると、
「分からない」
と答えることがあります。
保護者からすると、
「こんなに話せるのに、どうして説明できないの?」
と思うかもしれません。
しかし、
言葉をたくさん知っていることと、自分の気持ちを整理して相手に伝えることは、少し違います。
まず自分の中で、
「今、悲しい」
「これは嫌だった」
「怖かった」
と気づく必要があります。
そして、その気持ちを言葉にして、相手に分かるように伝える必要があります。
これらを一度に行うことが難しいお子さんもいます。
「どうしたの?」に答えられないこともあります
子どもが泣いていると、
「どうしたの?」
と聞くことが多いと思います。
しかし、「どうしたの?」は意外と難しい質問です。
何が起きたのか。
自分はどう感じたのか。
相手は何をしたのか。
どうしてほしいのか。
いろいろなことを整理して答えなければならないからです。
答えられないからといって、
「何も考えていない」「話したくない」
とは限りません。
単純に、どう説明すればよいのか分からない場合もあります。
質問を少し簡単にしてみる
「どうしたの?」で答えられない場合は、質問を小さく分けてみましょう。
例えば、
「学校であったこと?」
「お友だちのこと?」
「先生のこと?」
「悲しかった?」
「怒った?」
「怖かった?」
というように聞いてみます。
「はい・いいえ」で答えられる質問や、2つ程度の選択肢から選べる質問にすると答えやすくなることがあります。
ただし、質問を次々と続けすぎると本人が疲れてしまいます。
答えにくそうであれば、
「今は話したくなったら教えてね」
と、一度待つことも大切です。
保護者が気持ちを言葉にしてみる
お子さんが自分の気持ちをうまく表現できないときは、保護者が言葉を添えてみる方法があります。
例えば、お気に入りのおもちゃが壊れて泣いているなら、
「大事なおもちゃが壊れて、悲しかったんだね」
順番を抜かされて怒っているなら、
「先に並んでいたのに抜かされて、嫌だったのかな」
などです。
大切なのは、
決めつけないことです。
「絶対怒っているでしょう」
ではなく、
「嫌だったのかな?」
「悲しかったのかな?」
と確認するように伝えます。
違っていれば、
「違う」
と伝えてもらえばよいのです。
こうした経験を繰り返すことで、
「この感じは『悲しい』というんだ」
「こういうときは『嫌だった』と言えばいいんだ」
と少しずつ言葉と気持ちがつながっていくことがあります。
「嫌だ」「分からない」「助けて」は大切な言葉
自分の気持ちを伝えるというと、
「今日は学校で楽しかった」
「友だちにこう言われて悲しかった」
など、きれいな文章で話すことを想像するかもしれません。
しかし、最初から長く説明できる必要はありません。
むしろ、
「嫌だ」
「分からない」
「手伝って」
「休みたい」
「やめて」
といった短い言葉を使えることが、とても大切です。
困ったときにこのような言葉を使えると、泣いたり怒ったりする前に周囲へ助けを求められる場合があります。
「嫌だ」と言えたことを叱らない
例えば、お子さんが、
「嫌!」
と言ったとき、
「そんな言い方をしないの!」
と注意したくなることがあります。
もちろん、相手を傷つける言い方については少しずつ学んでいく必要があります。
しかし、
「嫌だと伝えられたこと」そのものは大切です。
まず、
「嫌だったんだね」
と受け止めます。
そのうえで、
「『やめてください』って言えるともっと伝わりやすいよ」
など、別の言い方を教えていきます。
最初から完璧な言い方を求める必要はありません。
言葉だけが「伝える方法」ではありません
言葉で伝えることが難しいお子さんの場合、
無理に言葉だけで伝えさせる必要はありません。
例えば、
写真を指す。
絵を指す。
文字を書く。
身振りを使う。
カードを見せる。
表情の絵から気持ちを選ぶ。
こうした方法でも構いません。
大切なのは、
「話すこと」ではなく「相手に伝わること」です。
言葉以外の方法で伝える経験が増えることで、本人の安心につながることもあります。
「泣く」「怒る」にも意味があるかもしれません
お子さんが、
泣く。
大声を出す。
物を投げる。
その場から逃げる。
といった行動をすると、どうしてもその行動を止めることに目が向きます。
しかし、
「何を伝えたかったのだろう?」
と考えてみることも大切です。
例えば、大声を出すことで、
「もう無理」
と伝えているのかもしれません。
その場から逃げることで、
「ここにいるのがつらい」
と伝えているのかもしれません。
行動をそのまま認めるという意味ではありません。
危険な行動は止める必要があります。
その一方で、
行動の後ろにある気持ちを考える
ことが、次の対応につながります。
パニックの最中に「ちゃんと言って」は難しい
強く怒ったり泣いたりしているときに、
「泣いてないで言葉で言いなさい」
と伝えても、難しい場合があります。
本人が落ち着いていないときは、気持ちを整理して言葉にすることがさらに難しくなるからです。
そのときはまず安全を確保し、落ち着けるようにします。
十分に落ち着いてから、
「嫌だったんだね」
「次は『休みたい』って言ってみようか」
と一緒に考えてみましょう。
日常生活の中で気持ちの言葉を増やす
トラブルが起きたときだけ、
「今どんな気持ち?」
と聞くのではなく、普段の生活の中でも気持ちを言葉にする機会を作ってみましょう。
例えば、
おいしいものを食べたとき、
「おいしくてうれしいね」
雨で外遊びが中止になったとき、
「楽しみにしていたから残念だね」
ゲームで勝ったとき、
「勝ててうれしいね」
というように、大人が自然に気持ちの言葉を使います。
「うれしい・悲しい・怒っている」だけでなく、
「悔しい」
「恥ずかしい」
「心配」
「びっくりした」
「疲れた」
「困った」
など、少しずつ言葉を増やしていくこともできます。
保護者自身の気持ちを言葉にするのも一つの方法
子どもだけに、
「気持ちを言って」
と求めるのではなく、大人自身が簡単に気持ちを言葉にしてみる方法もあります。
例えば、
「電車が遅れてちょっと困ったな」
「今日は仕事が終わってホッとした」
「このケーキ、おいしくてうれしいな」
などです。
日常生活の中で、
「気持ちは言葉にしていいものなんだ」
という経験につながります。
話してくれたときは、まず聞く
お子さんが勇気を出して、
「今日、学校で嫌なことがあった」
と話してくれたとします。
保護者としてはすぐに、
「誰にされたの?」
「先生には言った?」
「あなたも何かしたんじゃない?」
と聞きたくなるかもしれません。
しかし、まずは、
「そうだったんだね」
「話してくれてありがとう」
と聞いてみましょう。
話した直後に注意されたり質問攻めになったりすると、
「もう話したくない」
と思ってしまうことがあります。
困ったときに安心して話せる相手になること
も、とても大切です。
「正しく説明すること」を求めすぎない
子どもの説明は、大人からすると分かりにくいことがあります。
順番が前後する。
同じ話を繰り返す。
大事なところが抜ける。
関係のない話が途中に入る。
そのようなこともあります。
そこで、
「何を言っているのか分からない」
「最初からちゃんと説明して」
と言われると、話すこと自体が嫌になることがあります。
分からないところは、
「それは今日の話?」
「そのとき誰がいたの?」
など、一つずつ確認してみましょう。
「伝えたら変わった」という経験を作る
自分の気持ちを伝える力を育てるうえで、とても大切なのが、
「伝えたら相手に分かってもらえた」
という経験です。
例えば、
「休みたい」
と言えたら少し休む。
「手伝って」
と言えたら手伝ってもらえる。
「分からない」
と言えたら説明してもらえる。
こうした経験があると、
「困ったときは伝えればいいんだ」
と学びやすくなります。
もちろん、子どもの要求をすべて受け入れるという意味ではありません。
できないことについては、
「それはできないけれど、こっちならできるよ」
と伝えることもできます。
大切なのは、
伝えたことを無視しないことです。
学校や園とも「伝え方」を共有する
家庭で使いやすい言葉や方法が見つかったら、学校や園にも伝えてみましょう。
例えば、
「困ったときは『助けて』と言う練習をしています」
「言葉で難しいときは、このカードを見せています」
「質問を一つずつすると答えやすいです」
などです。
反対に、
「学校では困ったとき、どうやって伝えていますか?」
と先生に聞いてみるのもよいでしょう。
家庭と学校でうまくいっている方法を共有することで、本人が使える方法を増やしていくことができます。
友だちとの関係にもつながります
自分の気持ちを伝えられることは、友だちとの関係でも大切です。
「貸して」
「一緒に遊ぼう」
「それは嫌だ」
「やめて」
「ごめんね」
「ありがとう」
「一人にしてほしい」
こうした短い言葉を使えることで、トラブルを減らせる場合があります。
「友だちとうまく関わりなさい」
と伝えるだけでなく、
実際にどんな言葉を使えばいいのか
を一緒に考えてみましょう。
「自分から言えるまで待つ」だけにしない
本人が困っているように見えても、
「自分から助けてと言えるまで待とう」
と考えることがあります。
しかし、まだ助けを求める方法そのものが分からないお子さんもいます。
そんなときは、
「困ってる?」
「手伝おうか?」
と大人から声をかけても構いません。
そして、
「こういうときは『手伝って』って言っていいんだよ」
と伝えます。
少しずつ、自分から言える機会を増やしていきましょう。
相談した方がよい場合
言葉やコミュニケーションについて、
・年齢に比べて言葉がかなり少ないように感じる
・自分の希望をほとんど伝えられない
・言いたいことが伝わらず、頻繁に激しいパニックになる
・学校や園で人との関わりに大きく困っている
・以前できていた会話やコミュニケーションができなくなってきた
・保護者だけではどのように関わればよいか分からない
といった場合には、一度相談してみてもよいでしょう。
園や学校。
市区町村の子ども・発達に関する相談窓口。
児童発達支援。
放課後等デイサービス。
医療機関。
など、相談できる場所があります。
「相談するほどなのかな?」
と迷う場合でも、まず困っていることを話してみるところから始めることができます。
最後に
言葉で自分の気持ちを伝えることは、簡単そうに見えて、実はたくさんの力が必要です。
自分がどう感じているのか気づく。
その気持ちに合った言葉を探す。
相手に伝わるように話す。
相手の反応を受け止める。
これらを一度に行うことが難しいお子さんもいます。
だからこそ、
「どうして言えないの?」
ではなく、
「どうしたら伝えやすくなるだろう?」
と考えてみてください。
短い言葉でも構いません。
「嫌だ」
「助けて」
「分からない」
「休みたい」
それだけでも、とても大切な意思表示です。
そして、言葉で伝えることが難しければ、写真や絵、文字、身振りなどを使っても構いません。
大切なのは、
上手に話すことではなく、自分の気持ちや困っていることを誰かに伝えられることです。
「伝えたら分かってもらえた」
「困ったときに助けてもらえた」
そんな経験を一つずつ積み重ねていくことで、本人が安心して人と関われるようになることがあります。
焦って「話せるようにする」のではなく、その子が今使える方法を大切にしながら、
「伝わる方法」を一緒に増やしていきましょう。
※言葉やコミュニケーションの発達には大きな個人差があります。言葉の遅れやコミュニケーションの難しさが日常生活に大きく影響している場合や、以前できていたことができなくなるなど気になる変化がある場合には、医療機関や発達に関する相談窓口などへご相談ください。
2026年8月17日 20:10投稿
「いつもと違う道を通ると嫌がる」
「予定が変わると泣いたり怒ったりする」
「同じ服、同じ食べ物、同じ順番に強くこだわる」
お子さんにこのような様子があると、
「どうしてそこまでこだわるの?」
「少しくらい我慢してほしい」
「このままで大丈夫なのかな」
と悩む保護者の方もいらっしゃると思います。
しかし、本人にとってその「こだわり」は、単なるわがままとは限りません。
いつもと同じであることが安心につながっていたり、次に何が起こるのか分からないことに強い不安を感じていたりする場合があります。
今回は、こだわりが強いお子さんや予定変更が苦手なお子さんに、どのように接すればよいのかを、できるだけ分かりやすくご紹介します。
まず「こだわり=悪いこと」と考えすぎない
こだわりがあると、どうしても、
「直した方がいいのでは」
と考えてしまうことがあります。
しかし、こだわりそのものが必ず問題というわけではありません。
例えば、
毎朝同じ順番で準備する。
お気に入りの服を着る。
好きな遊びを繰り返す。
いつも同じ席に座る。
こうしたことによって本人が安心できていて、生活に大きな困りごとがないのであれば、無理に変える必要がない場合もあります。
大切なのは、
「こだわりがあるかどうか」ではなく、「そのこだわりによって本人や周囲がどのくらい困っているか」
を見ることです。
予定変更がつらいのはなぜ?
予定が変わったときに激しく怒ったり泣いたりするお子さんを見ると、
「少しくらい予定が変わってもいいでしょう」
と思うかもしれません。
しかし本人にとっては、
「次に何が起こるのか分からなくなること」
そのものが強い不安につながっている場合があります。
例えば、
「今日は公園に行く」
と思っていたのに、雨が降って急に買い物へ変更。
大人なら、
「雨だから仕方ない」
と理解できます。
しかし、お子さんによっては、
「頭の中で決まっていた予定が突然崩れた」
という大きな出来事として感じることがあります。
予定はできるだけ先に伝える
予定変更が苦手なお子さんには、
「何をするのか」「次に何があるのか」をできるだけ先に伝える
ことが役立つ場合があります。
例えば、
「ご飯を食べたら、お風呂に入るよ」
「あと10分で公園を出るよ」
「今日は病院に行ってからスーパーに行くよ」
などです。
突然、
「今から帰るよ」
と言うよりも、少し前から伝えておくことで気持ちを切り替えやすくなることがあります。
言葉だけで分かりにくい場合は「見えるようにする」
言葉で予定を説明しても、覚えておくことが難しいお子さんもいます。
そんなときは、
写真。
絵。
文字。
簡単な予定表。
などを使って、
「見れば分かる形」
にする方法があります。
例えば、
「朝ごはん」
↓
「着替え」
↓
「学校」
↓
「帰宅」
というように、その日の予定を簡単に並べます。
終わったものを消したり、カードを外したりすると、
「次に何をするのか」
が分かりやすくなることがあります。
変更があるときは「変更したこと」を分かりやすく伝える
予定表を使っていても、当然予定が変わることはあります。
その場合は、
「さっきと予定が変わったよ」
とはっきり伝えます。
例えば、
「公園は雨だから行かない」
「代わりに家でゲームをする」
というように、
できなくなったことだけでなく、その後どうなるのか
も一緒に伝えると分かりやすくなります。
「今日はダメ」
だけで終わると、本人はその後どうすればよいのか分からず、不安が強くなることがあります。
「あと○分」を使って気持ちの準備をする
遊びや動画、ゲームなどを突然終わらせると、強く抵抗するお子さんもいます。
そんなときは、
「あと10分」
「あと5分」
「これが終わったらおしまい」
など、少し前から伝える方法があります。
時間の感覚がまだ分かりにくい場合は、
「この動画が終わったら」
「この電車を3回見たら」
など、本人に分かりやすい基準を使う方法もあります。
大切なのは、
突然終わらせないこと
です。
選択肢を少しだけ用意する
こだわりが強いお子さんに、
「好きにしていいよ」
と伝えると、かえって迷ってしまうことがあります。
その場合は、
「赤い服と青い服、どっちにする?」
「先にお風呂に入る?それとも歯磨きをする?」
など、2つ程度の選択肢を用意すると選びやすくなることがあります。
自分で選べることによって、
「全部大人に決められた」
という気持ちが減る場合もあります。
「絶対に変えない」でも「全部変える」でもない
予定変更が苦手だからといって、
「一切予定を変えないようにしよう」
とするのも現実的ではありません。
生活していれば、
雨が降る。
電車が遅れる。
病院の予定が入る。
お店が休みになる。
さまざまな変更があります。
一方で、
「慣れさせるために、わざと予定を変えよう」
とする必要もありません。
大切なのは、
安心できる部分を残しながら、少しずつ変化を経験できるようにすること
です。
小さな変更から経験する
例えば、いつも同じコップを使いたがるお子さんがいるとします。
いきなり、
「今日から別のコップしか使いません」
とすると、大きな負担になるかもしれません。
それよりも、
「今日はいつものコップと新しいコップを並べる」
「新しいコップを一度触ってみる」
など、ほんの少しずつ変化を経験する方法があります。
無理に成功させることより、
「変わっても大丈夫だった」という経験を少しずつ増やす
ことを意識してみましょう。
本人にとって「絶対に譲れないもの」を知る
すべてのこだわりを同じように扱う必要はありません。
例えば、
「このぬいぐるみがないと眠れない」
というこだわりと、
「必ず青いスプーンで食べたい」
というこだわりでは、本人にとっての大切さが違うかもしれません。
保護者から見ると小さなことでも、本人にとっては強い安心につながっている場合があります。
そのため、
「本人にとって特に大切なものは何か」
を知っておくことも役立ちます。
すべてを変えようとせず、
「ここは守る」
「ここは少し練習してみる」
と分けて考える方法もあります。
「わがまま」と決めつけない
こだわりが強いお子さんに対して、
「わがままを言わない」
「そんなことで怒らない」
と伝えたくなることがあります。
しかし本人が、
「変化が怖い」
「何が起こるのか分からない」
という状態であれば、叱るだけでは解決しにくいものです。
まずは、
「何が不安なのだろう?」
と考えてみてください。
その上で、
「今日はここが変わるよ」
「でも、これはいつもと同じだよ」
と伝えることで安心しやすくなることがあります。
パニックになったら、その場で説得しすぎない
予定変更によってパニックになったとき、
「仕方ないでしょう」
「雨なんだから公園には行けないの」
と何度も説明したくなることがあります。
しかし、強く興奮している最中は、説明を理解することが難しい場合があります。
まずは安全を確保し、刺激を減らし、落ち着く時間を作ります。
十分に落ち着いてから、
「今日は雨だったから公園には行けなかったね」
「今度晴れた日に行こうね」
と簡単に振り返る方が伝わりやすいことがあります。
うまく切り替えられたときは伝えてあげる
予定が変わっても大きく崩れずに対応できたときは、
そのことを伝えてみましょう。
例えば、
「予定が変わったけど待てたね」
「今日は違う道でも歩けたね」
「嫌だったけど、『嫌だ』って言えたね」
などです。
大げさに褒める必要はありません。
本人ができたことを具体的に伝える
だけでも十分です。
こだわりを「得意なこと」に活かせる場合も
こだわりという言葉には、少し否定的な印象があります。
しかし、見方を変えると、
一つのことに集中できる。
好きなことを深く調べる。
決まった手順を丁寧に守れる。
細かい違いによく気づく。
といった力につながっていることもあります。
例えば、電車が好きなお子さんが、
駅名をたくさん覚える。
時刻表に興味を持つ。
地図を見るようになる。
数字に興味を持つ。
といった形で学びにつながることもあります。
「こだわりをなくす」ことだけではなく、「好きなことをどう活かすか」
という視点も大切です。
学校や園とも情報を共有する
家庭ではうまくいっている方法があれば、学校や園にも伝えてみましょう。
例えば、
「予定変更は早めに伝えると落ち着きます」
「写真で見せると理解しやすいです」
「終わる5分前に知らせると切り替えやすいです」
などです。
反対に、学校ではうまくいっている方法があるかもしれません。
「学校では予定変更のとき、どのように伝えていますか?」
と聞いてみるのもよいでしょう。
家庭と学校で情報を共有することで、本人にとって分かりやすい方法を増やすことができます。
記録してみると分かることもあります
予定変更で頻繁に大きく崩れる場合は、
・どんな変更だったか
・何時頃だったか
・その前に何をしていたか
・本人は疲れていなかったか
・どのように伝えたか
・どうすると落ち着いたか
などを簡単にメモしてみましょう。
例えば、
「夕方、疲れているときに特に変更が難しい」
「当日に言うと難しいが、前日に伝えると大丈夫」
などの傾向が見えてくることがあります。
その子に合った方法を探す手がかりになります。
保護者も予定変更に疲れることがあります
毎日のように、
「この予定を変えたら怒るかな」
「今日はこの道を通れないけれど大丈夫かな」
と気を使い続けるのは、保護者にとっても負担になります。
「すべて本人に合わせないといけない」
と思う必要はありません。
家庭だけで対応が難しい場合は、
園や学校。
市区町村の発達相談。
児童発達支援。
放課後等デイサービス。
医療機関。
福祉の相談員。
などに相談することも考えてみてください。
相談を考えた方がよい場合
こだわりによって、
・毎日の生活が大きく制限されている
・学校や園へ行くことが難しくなっている
・少しの変更でも激しいパニックになる
・本人がとても苦しそうにしている
・本人や周囲に危険が及ぶ行動がある
・家族だけでは対応が難しい
といった場合には、専門的な相談先へ相談することも大切です。
「こだわりがあること」そのものではなく、
本人や家族がどの程度困っているのか
を目安の一つにしてみましょう。
最後に
こだわりが強いお子さんを見ていると、
「もっと柔軟になってほしい」
と思うこともあるかもしれません。
しかし本人にとって、
いつもの順番。
いつもの場所。
いつもの物。
いつもの予定。
こうした「変わらないもの」が、安心につながっていることがあります。
だからこそ、
「こだわりを全部なくす」ことを目標にする必要はありません。
まず、
「この子は何が変わると不安になるのだろう?」
と考えてみてください。
予定を先に伝える。
見て分かる形にする。
終わる前に知らせる。
選択肢を少し用意する。
小さな変更から経験する。
こうした工夫によって、本人が少しずつ変化に対応しやすくなることがあります。
そして何より、
「変わっても大丈夫だった」という経験を、無理のない範囲で少しずつ増やしていくこと。
それが、本人の安心と自信につながっていきます。
保護者だけで解決しようとしなくても大丈夫です。
家庭・学校・福祉などでうまくいっている方法を共有しながら、その子に合った関わり方を一緒に探していきましょう。
※こだわりの強さや予定変更への反応には個人差があります。生活への影響が大きい場合や、激しいパニック、自分や他人を傷つける行動などが見られる場合には、発達に関する相談機関や医療機関などへの相談をご検討ください。
「突然、大きな声で泣き出した」
「思い通りにならないと物を投げてしまう」
「一度興奮すると、なかなか落ち着かない」
お子さんの癇癪やパニックに、どう対応すればよいのか悩んでいる保護者の方もいらっしゃると思います。
周囲の目が気になったり、
「しつけができていないと思われるのでは」
と不安になったりすることもあるかもしれません。
しかし、癇癪やパニックには、その子なりの理由が隠れていることがあります。
今回は、癇癪やパニックが起きたときに、保護者としてどのように対応すればよいのかを、できるだけ分かりやすくご紹介します。
まず知っておきたいこと
癇癪やパニックが起きているとき、本人はわざと困らせようとしているとは限りません。
例えば、
・思っていた予定が急に変わった
・自分の気持ちをうまく言葉で伝えられない
・大きな音や人の多さがつらい
・疲れている
・お腹が空いている
・やりたいことを止められた
・何をすればいいのか分からなくなった
など、さまざまな理由が考えられます。
本人の中で「もう無理」となったときに、大きな声や泣く、物を投げるといった行動として表れることがあります。
その場では「理由を聞き出す」より安全を優先
癇癪やパニックが始まると、
「どうしたの?」
「何が嫌なの?」
「ちゃんと言いなさい」
と聞きたくなると思います。
しかし、強く興奮しているときは、本人も落ち着いて考えたり話したりすることが難しい場合があります。
そのため、その場ではまず、
本人と周囲の安全を確保すること
を優先しましょう。
近くに投げると危ない物や割れやすい物がある場合は、可能な範囲で遠ざけます。
道路や階段の近くなど危険な場所にいる場合は、安全な場所へ移動できるようにします。
大きな声で叱り返さない
大人も焦ると、
「やめなさい!」
「いい加減にしなさい!」
と大きな声を出してしまうことがあります。
しかし、大人の大きな声によって、さらに興奮してしまうお子さんもいます。
できるだけ、
短く、静かな声で伝える
ことを意識してみましょう。
例えば、
「ここで待とう」
「大丈夫だよ」
「落ち着いてから話そう」
など、簡単な言葉で十分です。
何度も説明する必要はありません。
言葉をかけすぎないことも大切
子どもが泣いたり叫んだりしていると、何とか落ち着かせようとして、たくさん話しかけてしまうことがあります。
しかし、パニックの最中は、言葉を聞くことそのものが負担になる場合があります。
そんなときは、
少し距離を取りながら、静かに待つ
ことも一つの方法です。
もちろん、安全を確認できる範囲で見守ります。
「何か言わなければ」と思わなくても大丈夫です。
無理に身体を押さえつけない
暴れていると、
「押さえれば落ち着くのでは」
と思うかもしれません。
しかし、無理に身体を押さえられることで恐怖を感じ、さらに激しく抵抗することもあります。
本人や周囲に重大な危険が迫っている場合を除き、無理に身体を拘束するような対応は避け、できるだけ危険な物を遠ざけたり、安全な空間を作ったりすることを考えましょう。
人の少ない場所に移れる場合は移動する
人が多い場所や音が大きい場所でパニックになっている場合、刺激そのものが本人を苦しめていることがあります。
例えば、
スーパーの店内。
学校の体育館。
イベント会場。
電車の中。
人の多い待合室。
このような場所で起きた場合は、可能であれば、
少し静かで人の少ない場所へ移動する
ことで落ち着きやすくなることがあります。
「今すぐ泣き止ませる」ことを目標にしない
公共の場所で大きな声を出されると、
「とにかく今すぐ止めないと」
と思ってしまいます。
しかし、その焦りが保護者にも本人にも伝わり、さらに状況が悪化することがあります。
目標を、
「今すぐ泣き止ませる」
ではなく、
「安全な状態で落ち着くのを待つ」
と考えてみましょう。
落ち着いてきたら、すぐに叱らない
パニックが収まった直後に、
「どうしてあんなことしたの?」
「もう二度とやらないで」
と注意したくなることがあります。
しかし、本人は大きなエネルギーを使って疲れている場合があります。
まずは、
「落ち着いたね」
「少し休もう」
など、安心できる時間を作ってみましょう。
振り返りをする場合も、十分に落ち着いてからの方が話しやすくなります。
落ち着いた後に「何があったか」を考えてみる
パニックが終わった後、
「また同じことをしないように注意する」
だけで終わらせず、
「その前に何があったのだろう?」
と考えてみることが大切です。
例えば、
「予定を急に変えた直後だった」
「長時間買い物をして疲れていた」
「大きな音が続いていた」
「ゲームを突然終わらせた」
「本人が何かを伝えたかったけれど、伝わらなかった」
などです。
こうした出来事を振り返ることで、次の予防につながることがあります。
簡単な記録をつけてみる
癇癪やパニックが頻繁に起こる場合は、簡単に記録してみるのもおすすめです。
例えば、
「いつ」
「どこで」
「直前に何があったか」
「どんな行動があったか」
「どう対応したか」
「何分くらいで落ち着いたか」
などを書いておきます。
難しい記録にする必要はありません。
数回分を並べてみると、
「毎回、お腹が空いている夕方に起きている」
「急な予定変更のときに多い」
など、共通するものが見つかることがあります。
予防できることもあります
原因になりやすいことが分かってきたら、癇癪やパニックが起きにくくなるように工夫できることがあります。
例えば、予定変更が苦手なお子さんなら、
「あと10分で帰るよ」
「今日はいつもの公園ではなく、スーパーに行くよ」
など、先に伝えておきます。
言葉だけでは分かりにくい場合は、写真や予定表などを使う方法もあります。
終わりを突然伝えない
好きな遊びやゲームをしているときに、
「はい、終わり!」
と突然言われると、気持ちを切り替えることが難しいお子さんもいます。
例えば、
「あと10分」
「あと5分」
「これが終わったらおしまい」
と少し前から伝えることで、心の準備がしやすくなることがあります。
「できたこと」を伝える
パニックになったことだけに目が向くと、
「またできなかった」
という関わりが増えてしまいます。
しかし、
「今日は自分から『嫌だ』と言えたね」
「前より早く落ち着けたね」
「困ったときに教えてくれたね」
など、できたところも伝えてみましょう。
本人が、
「自分にもできる方法がある」
と感じられることは大切です。
家族で対応をそろえる
例えば、
お母さんは「泣いたら要求を聞く」
お父さんは「絶対に聞かない」
というように対応が大きく違うと、本人も混乱してしまうことがあります。
家庭内で、
「パニックになったときは、まず安全を確保する」
「落ち着いてから話す」
「この場合はこう対応する」
など、大まかな方針を話しておくと安心です。
完璧に同じ対応をする必要はありませんが、大人同士で考え方を共有しておくとよいでしょう。
外出先では「逃げ道」を用意しておく
癇癪やパニックが起こりやすいお子さんと外出するときは、
「もしつらくなったらどこへ行くか」
を先に考えておく方法もあります。
例えば、
ショッピングモールなら静かな休憩場所。
イベントなら途中で外に出られる場所。
車で出かけるなら車内。
などです。
「最後まで参加しなければ」
と考えず、本人がつらそうなら途中で帰るという選択肢があってもよいでしょう。
保護者自身も休むことが大切です
癇癪やパニックへの対応が続くと、保護者も疲れます。
外出するたびに、
「今日は大丈夫かな」
と緊張することもあると思います。
毎日対応していると、冷静でいられない日があることもあります。
家族や周囲の人に協力してもらったり、利用できる福祉サービスについて相談したりすることも考えてみましょう。
保護者が一人ですべて対応し続ける必要はありません。
相談した方がよい場合
癇癪やパニックそのものは、子どもの成長の中で見られることがあります。
しかし、
・非常に頻繁に起こる
・長時間続く
・本人が自分を強く傷つける
・ほかの人を強く叩いたり蹴ったりする
・物を激しく壊す
・学校や外出など日常生活に大きな影響が出ている
・家庭だけでは対応が難しくなっている
といった場合は、一人で抱え込まず、相談してみることをおすすめします。
相談先としては、
学校や園。
市区町村の子ども・発達に関する相談窓口。
児童発達支援や放課後等デイサービス。
医療機関。
福祉サービスの相談員。
などがあります。
「パニックをゼロにする」だけを目標にしない
大切なのは、
一度もパニックを起こさない子どもにすること
だけではありません。
本人が、
「嫌だ」
「休みたい」
「助けて」
「分からない」
と伝えられる方法を増やすことも、とても大切です。
パニックになる前に助けを求めることができれば、本人にとっても周囲にとっても過ごしやすくなります。
最後に
子どもが激しく泣いたり、大声を出したり、物を投げたりすると、
「どうしてこんなことをするの?」
と思ってしまうことがあります。
しかし、その行動だけを見るのではなく、
「この子は今、何に困っているのだろう?」
と考えてみてください。
言葉では伝えられない。
予定変更についていけない。
音がつらい。
疲れている。
何をすればいいのか分からない。
本人なりの理由があるかもしれません。
癇癪やパニックが起きたときは、まず安全を確保し、できるだけ刺激を減らしながら、落ち着くのを待ちます。
そして落ち着いてから、
「次はどうすれば少し楽に過ごせるだろう?」
と考えていきましょう。
叱ることだけで解決しようとせず、その子が困りにくい方法を一緒に探していく。
その積み重ねが、本人が自分の気持ちを伝えたり、自分で落ち着く方法を身につけたりすることにつながっていきます。
保護者だけで解決しようとする必要もありません。
家庭・学校・福祉・医療など、必要な人たちと一緒に、
「この子に合った方法は何だろう?」
と考えていきましょう。
※癇癪やパニックの原因や適切な対応は、お子さんによって異なります。本人や周囲に重大な危険がある行動が繰り返される場合や、日常生活への影響が大きい場合には、医療機関や発達・福祉の相談機関などへ相談してください。
「最近、学校で一人でいることが多いみたい」
「友だちとすぐにケンカになってしまう」
「本人は仲良くしたいのに、なぜかうまくいかない」
お子さんの友人関係について、このような悩みを持つ保護者の方もいらっしゃると思います。
子ども同士のことだから、少し様子を見た方がいいのか。
それとも、学校に相談した方がいいのか。
保護者として、どこまで関わればよいのか迷うこともあるでしょう。
今回は、お子さんが学校で友だちとの関係に困っているとき、保護者としてどのように考え、関わっていけばよいのかを、できるだけ分かりやすくご紹介します。
まず「友だちが少ない=問題」とは限りません
保護者から見ると、
「休み時間に一人でいる」
というだけで心配になることがあります。
しかし、一人で過ごすことが好きなお子さんもいます。
休み時間は静かに本を読みたい。
好きな遊びを一人で楽しみたい。
たくさんの友だちと一緒にいると疲れる。
そんなお子さんもいます。
そのため、
「友だちが何人いるか」だけで判断しないこと
が大切です。
本人が一人でいることを楽しんでいるのであれば、それだけで困っているとは限りません。
反対に、一人でいることを寂しいと感じていたり、
「本当は一緒に遊びたいけれど、どうしたらいいか分からない」
と思っていたりする場合は、何らかの支援が必要かもしれません。
まずは、
「本人はどう感じているのだろう?」
というところから考えてみましょう。
「友だちとうまくいかない」理由は一つではありません
友人関係のトラブルが続くと、
「うちの子はコミュニケーションが苦手だから」
と決めつけてしまうことがあります。
しかし、うまくいかない理由はさまざまです。
例えば、
・自分の気持ちをうまく言葉にできない
・相手の気持ちを読み取ることが難しい
・遊びのルールを理解しにくい
・自分の好きな遊びに強くこだわってしまう
・負けることが苦手
・冗談を本気に受け取ってしまう
・嫌なことを断れない
・友だちとの距離の取り方が分からない
・本人ではなく、周囲との相性が合っていない
などがあります。
同じ「ケンカが多い」という状況でも、理由によって必要な対応は違います。
まずは本人の話を聞いてみましょう
お子さんが、
「学校で友だちとケンカした」
と話してきたとき、
「あなたも何かしたんじゃないの?」
とすぐに原因を探したくなることがあります。
しかし、まずは話を聞いてみましょう。
「何があったの?」
「そのとき、どんな気持ちだった?」
「どうしてほしかった?」
など、本人が話せる範囲で聞いてみます。
このときに大切なのは、
すぐに正しい・間違っているを決めないことです。
本人が、
「話しても怒られる」
と思ってしまうと、困ったことがあっても話さなくなることがあります。
まずは、
「そう感じたんだね」
と気持ちを受け止めてから、一緒に考えていきましょう。
本人の話だけで全部を判断しないことも大切です
一方で、お子さんの話だけで、
「相手の子が悪い」
と決めてしまうことにも注意が必要です。
子どもは、自分が見たことや感じたことを中心に話します。
それ自体は悪いことではありません。
ただ、学校では本人が見ていなかったことや、うまく説明できなかったことがあるかもしれません。
必要に応じて、先生にも、
「学校ではどのような様子でしたか?」
と確認してみましょう。
家庭と学校の両方から状況を見ることで、分かることが増える場合があります。
「仲良くしなさい」と言いすぎない
友人関係で困っているお子さんに、
「みんなと仲良くしなさい」
「もっと自分から話しかけなさい」
と伝えたくなることがあります。
しかし、本人にとっては、
「どうすれば仲良くできるのかが分からない」
ということもあります。
例えば、
「入れて」と言いたいけれど、いつ声をかければいいのか分からない。
遊びに誘われても、どう返事をすればいいのか分からない。
嫌なことをされたとき、断り方が分からない。
そんな場合に、
「もっと仲良くしなさい」
と言われても、具体的な方法が分からないままです。
具体的な言葉を一緒に考えてみましょう
必要であれば、家庭で簡単な言葉を一緒に考えてみることもできます。
例えば、
遊びに入りたいときは、
「一緒にやってもいい?」
嫌なことをされたときは、
「それは嫌だからやめて」
分からないときは、
「どうすればいい?」
少し一人になりたいときは、
「ちょっと休みたい」
などです。
大切なのは、長い説明を覚えさせることではありません。
本人が使いやすい短い言葉をいくつか持っておくこと
が役立つ場合があります。
家で「練習しすぎない」ことも大切です
友人関係が心配になると、
「こういうときは、こう言いなさい」
「それでは友だちに嫌われるよ」
と、家庭でも何度も練習したくなることがあります。
しかし、家まで常に人間関係の練習の場になってしまうと、本人が疲れてしまうこともあります。
家庭は安心して過ごせる場所でもあります。
必要なことを少しずつ伝えながら、
本人が好きなことを楽しむ時間や、何も気にせず休める時間
も大切にしましょう。
発達が気になるお子さんの場合は「分かりやすさ」を意識する
発達について気になるところがあるお子さんの場合、
「空気を読んで」
「普通は分かるでしょう」
という説明では理解しにくいことがあります。
例えば、
「友だちが嫌そうな顔をしていたら、一度やめてみよう」
「相手が『やめて』と言ったら、そこで終わりにしよう」
など、できるだけ具体的に伝えてみます。
本人が分かりにくいところを、
性格の問題ではなく「分かり方の違い」
として考えることも大切です。
好きなことが友だちとのきっかけになることもあります
友だちを作るために、
「もっと社交的にならなければ」
と考える必要はありません。
本人が好きなことが、人との関係を作るきっかけになることがあります。
例えば、
電車が好き。
ゲームが好き。
工作が好き。
昆虫が好き。
絵を描くことが好き。
同じものが好きな子どもとは、自然に話しやすくなることがあります。
苦手なコミュニケーションを無理に練習するだけでなく、得意なことや好きなことを人とのつながりに活かす
という考え方もあります。
学校にはどのように相談すればいい?
友人関係について学校に相談するとき、
「うちの子がいじめられているんです」
と最初から結論を決めるよりも、
「最近、家でこういう話をしています」
「本人は休み時間に一人になることが多いと言っています」
「友だちとのトラブルが続いているようなのですが、学校ではどんな様子でしょうか?」
など、分かっている事実から伝えてみるとよいでしょう。
そして、
「学校での様子を教えてください」
と聞いてみます。
学校と家庭が、
「誰が悪いのか」
を決めることより、
「本人が何に困っていて、どうすれば過ごしやすくなるか」
を一緒に考えられるとよいでしょう。
先生にお願いできることもあります
状況によっては、学校側に少し工夫してもらうことで過ごしやすくなることもあります。
例えば、
休み時間に先生が少し様子を見る。
遊びに入りやすいように声をかける。
グループを作るときに配慮する。
トラブルになりやすい場面を確認する。
本人が困ったときに相談できる先生を決めておく。
などです。
どのような対応が可能かは学校によって異なります。
「こうしてください」と一方的にお願いするより、
「どんな方法なら学校で対応できそうでしょうか?」
と一緒に考えてみましょう。
「いじめ」の可能性がある場合は別に考えましょう
友人関係の悩みと、いじめは同じではありません。
例えば、
繰り返し嫌なことを言われる。
仲間外れにされる。
物を隠されたり壊されたりする。
叩かれたり蹴られたりする。
お金や物を要求される。
SNSなどで悪口を書かれる。
本人が強い苦痛を感じている。
このようなことがある場合は、
「子ども同士のことだから」
と様子を見続けず、学校へ早めに相談することが大切です。
本人の安全や安心を優先して考えましょう。
「嫌われないように我慢する」ことを教えない
友だちとの関係を大切にすることは必要です。
しかし、
友だちと仲良くするために、嫌なことを我慢し続ける必要はありません。
例えば、
嫌な遊びに無理に参加する。
物を貸したくないのに断れない。
嫌なことをされても笑ってごまかす。
こうした状態が続いている場合は、
「嫌なときは嫌と言っていい」
「困ったら先生や大人に言っていい」
ということも伝えてください。
良い人間関係とは、
一方だけが我慢し続ける関係ではありません。
一人でも安心して話せる人がいれば十分なことも
保護者としては、
「たくさん友だちを作ってほしい」
と思うかもしれません。
しかし、大切なのは人数ではありません。
クラス全員と仲良くしなくても、
安心して話せる子が一人いる。
困ったときに先生へ相談できる。
放課後等デイサービスなど学校以外の場所に安心できる仲間がいる。
家族と安心して話せる。
こうしたつながりも大切です。
「友だちが多いこと」を目標にしすぎない
ようにしてみましょう。
友人関係で疲れているサインにも気づいて
学校では頑張って友だちに合わせていても、家に帰ると疲れが一気に出るお子さんもいます。
例えば、
帰宅するとすぐ横になる。
家では急に怒りっぽくなる。
学校の話をしたがらない。
朝になると体調が悪くなる。
休みの日は元気になる。
こうした状態が続いている場合、
学校で人間関係にかなり力を使っている可能性もあります。
本人が休める時間を確保しながら、学校で無理をしていないか確認してみましょう。
すぐに解決しないこともあります
友人関係は、算数の問題のように、
「この方法なら必ず解決する」
というものではありません。
相手も一人の子どもです。
クラスの雰囲気も変わります。
学年が変わることもあります。
そのため、
一度話し合ったら全部解決するとは限りません。
本人の様子を見ながら、
「前より困ることが減ったかな?」
「新しい悩みはないかな?」
と少しずつ確認していきましょう。
最後に
子どもが、
「友だちとうまくいかない」
と悩んでいると、保護者としては何とかしてあげたいと思うものです。
しかし、
保護者が友だちを作ってあげることはできません。
できるのは、
本人の話を聞くこと。
困っていることを一緒に整理すること。
必要なら学校へ相談すること。
相手に気持ちを伝える方法を一緒に考えること。
そして、
「困ったときは相談していい」と本人に伝えることです。
友だちが多いことだけが、楽しい学校生活ではありません。
一人で安心して過ごせること。
自分らしくいられること。
信頼できる人がいること。
嫌なことには嫌と言えること。
困ったときに助けを求められること。
そうした力も、とても大切です。
「どうして友だちとうまくできないの?」
と考えるだけではなく、
「この子は今、何に困っているのだろう?」
と考えてみてください。
その子に合った関わり方や環境を探しながら、少しずつ人との関係を築いていけるよう見守っていきましょう。
※友人関係の問題には、通常の行き違いから、いじめなど早急な対応が必要なものまでさまざまな状況があります。本人が強い苦痛を感じている場合や、安全に関わる問題がある場合には、学校や関係する相談機関などへ早めに相談してください。
2026年8月14日 22:05投稿
「朝になると、学校へ行きたくないと言う」
「登校しようとすると、お腹が痛いと言い出す」
「以前は普通に通っていたのに、最近学校を休むことが増えてきた」
お子さんにこのような変化が見られると、
「このまま休ませても大丈夫なの?」
「無理にでも学校へ行かせた方がいい?」
「親としてどうしたらいいの?」
と悩む保護者の方もいらっしゃると思います。
特に、発達について気になるところがあるお子さんの場合、本人に理由を聞いても、
「分からない」
「学校が嫌」
としか答えられないこともあります。
今回は、お子さんが学校に行きたがらなくなったとき、どのように考えていけばよいのかを、できるだけ分かりやすくご紹介します。
「学校に行きたくない」には理由があるかもしれません
子どもが、
「学校に行きたくない」
と言うと、
「勉強が嫌なのかな?」
「友だちとケンカしたのかな?」
と考えるかもしれません。
しかし、理由はそれだけではありません。
例えば、
・勉強が分からない
・授業の進む速さについていけない
・友だちとの関係で困っている
・先生との関係で悩んでいる
・教室が騒がしくてつらい
・予定が突然変わることが苦手
・集団で行動することに疲れている
・休み時間をどう過ごせばいいか分からない
・給食が苦手
・学校行事が負担になっている
など、さまざまな理由が考えられます。
そして、いくつかの理由が重なっている場合もあります。
本人にも「なぜ行きたくないのか」が分からないことがあります
保護者としては、
「どうして学校に行きたくないの?」
と聞きたくなると思います。
しかし、本人自身にも理由が分からないことがあります。
特に、自分の気持ちを言葉にすることが苦手なお子さんの場合、
「何が嫌なの?」
と聞かれても説明できないことがあります。
そのため、
「理由を言わない=理由がない」
とは限りません。
「学校に行きたくない」という言葉そのものが、
「今、何かに困っている」
というサインである可能性も考えてみましょう。
「どうして?」と繰り返し聞きすぎない
理由を知りたい気持ちは当然です。
ただ、
「何が嫌なの?」
「誰かに何かされたの?」
「勉強?」
「先生?」
と何度も質問されると、本人にとって負担になることもあります。
答えられないときは、
「今はうまく説明できないんだね」
と一度受け止めて、様子を見てみる方法もあります。
少し落ち着いたときに、
「授業と休み時間だったら、どちらがしんどい?」
「教室がうるさいのはつらい?」
など、答えやすい聞き方をすると話せることもあります。
朝だけを見るのではなく「一日の様子」を見てみましょう
学校へ行けない問題というと、どうしても朝の登校場面に目が向きます。
しかし、大切なのは一日の様子を見ることです。
例えば、
日曜日の夜から元気がなくなる。
月曜日の朝になると腹痛を訴える。
学校から帰るとぐったりしている。
帰宅後に怒りっぽくなる。
休日は元気になる。
学校の話になると表情が変わる。
こうした変化も手がかりになることがあります。
簡単にメモを取っておくのも一つの方法です。
身体の不調が出ることもあります
学校についての不安や負担が、
「お腹が痛い」
「頭が痛い」
「気持ちが悪い」
「身体がだるい」
「朝起きられない」
など、身体の症状として現れることもあります。
このような場合に、
「学校に行きたくないから仮病を使っている」
と決めつけないことが大切です。
本人が実際につらさを感じている可能性があります。
また、身体の病気が隠れている可能性もありますので、症状が続く場合などは医療機関への相談も考えましょう。
「学校へ行く・行かない」の二択だけにしない
学校に行きたがらなくなると、
「今日は行くの?休むの?」
という二択になりがちです。
しかし、学校と相談することで、その間の方法を考えられる場合があります。
例えば、
「朝からではなく、少し遅れて登校する」
「午前中だけ参加する」
「まずは別の部屋で過ごす」
「参加しやすい授業から参加する」
などです。
実際にどのような対応が可能なのかは学校によって異なります。
本人にとって負担が少ない方法がないか、学校と相談してみましょう。
「学校へ行けた」だけを成功にしない
保護者としては、朝に登校できると安心すると思います。
しかし、
「今日は学校へ行けたから成功」
「休んだから失敗」
と考えてしまうと、本人も保護者も苦しくなってしまうことがあります。
例えば、
朝起きることができた。
着替えることができた。
学校の近くまで行けた。
先生と話せた。
自分から「今日は休みたい」と伝えられた。
こうしたことも、その子にとっては大切な一歩かもしれません。
昨日より少しできたことにも目を向けてみましょう。
学校に相談するときは具体的に伝えましょう
学校に相談するとき、
「最近、学校へ行きたがりません」
だけでも相談はできます。
ただ、できれば家庭で見られる様子を具体的に伝えてみましょう。
例えば、
「日曜日の夜になると不安そうになります」
「朝になるとお腹が痛いと言います」
「帰宅すると毎日1時間ほど横になっています」
「体育のある日に特に行きたがりません」
などです。
こうした情報があると、学校側も、
「学校ではどんな様子だろう?」
と考えやすくなります。
学校での様子も聞いてみましょう
家庭では分からないこともあります。
学校の先生に、
「授業中はどんな様子ですか?」
「休み時間は誰と過ごしていますか?」
「最近変わったことはありませんか?」
「困っているような場面はありませんか?」
などと聞いてみましょう。
家庭と学校の情報を合わせることで、原因の手がかりが見つかることがあります。
発達が気になるお子さんの場合は「環境」も見てみる
発達について気になるところがあるお子さんの場合、
本人の努力だけでは解決しにくいことがあります。
例えば、大きな音が苦手なお子さんに、
「気にしないように頑張ろう」
と言っても難しいことがあります。
その場合は、
「少し静かな場所で過ごせないか」
など、環境を変える方法を考えることも大切です。
ほかにも、
口頭だけの説明が分かりにくいなら、予定を文字や絵で見せる。
一度にたくさん指示されると混乱するなら、一つずつ伝える。
予定変更が苦手なら、できるだけ早めに知らせる。
このように、
「本人を変える」だけではなく、「本人が過ごしやすい環境にできないか」
という視点も持ってみましょう。
本人の「安心できる場所」を考える
学校へ行くことが難しい時期には、
「どこなら安心して過ごせるのか」
という視点も大切です。
自宅かもしれません。
学校の教室以外の場所かもしれません。
地域の支援機関などが選択肢になることもあります。
大切なのは、
学校に行けていない時間を、ただ空白の時間と考えないことです。
本人が安心できる場所で少しずつ生活のリズムを整えたり、興味のあることに取り組んだり、人と関わったりすることも大切です。
放課後等デイサービスを利用している場合は相談してみる
すでに放課後等デイサービスを利用しているお子さんの場合は、事業所にも相談してみる方法があります。
学校では見せない姿を、放課後等デイサービスでは見せていることもあります。
例えば、
「学校の話になると表情が変わります」
「最近疲れているように見えます」
など、支援している職員だから気づいていることがあるかもしれません。
家庭・学校・放課後等デイサービスなどで情報を共有することで、本人が何に困っているのかを考えやすくなる場合があります。
保護者だけで抱え込まない
お子さんが学校へ行けなくなると、
「親の接し方が悪かったのかな」
「もっと厳しくした方がいいのかな」
「このまま将来まで学校へ行けなくなったらどうしよう」
と、保護者自身が追い詰められてしまうことがあります。
しかし、不登校にはさまざまな背景があり、一つの原因だけで説明できるとは限りません。
保護者だけで原因を見つけ、すべて解決しようとする必要はありません。
学校の先生をはじめ、必要に応じて、
・学校の相談担当者
・教育に関する相談窓口
・発達について相談できる機関
・医療機関
・福祉サービスの相談員
などに相談することも考えてみましょう。
こんな変化があれば早めに相談を
学校へ行きたがらないことに加えて、
・ほとんど眠れない状態が続いている
・食事をほとんど取れなくなった
・以前好きだったことにも興味を示さなくなった
・強い不安や落ち込みが続いている
・自分を傷つけるような行動や発言がある
など、大きな変化が見られる場合には、学校への相談だけでなく、医療機関など専門的な相談先につなげることも大切です。
「もう少し様子を見よう」と長く抱え込まず、早めに相談してください。
「将来どうなるの?」を今すぐ決めなくてもいい
数日、数週間と学校を休むようになると、
「このまま中学校にも行けないのでは?」
「高校には進学できる?」
「将来仕事ができるの?」
と、何年も先のことまで心配になることがあります。
もちろん、将来について考えることも大切です。
しかし、まず考えたいのは、
「今、この子が何に困っているのか」
ということです。
今日学校へ行くことより、まず十分に休むことが必要な場合もあります。
学校との関わり方を変えることが必要な場合もあります。
一人ひとり状況は違います。
将来のすべてを今決めようとせず、まず現在の困りごとを一つずつ整理していきましょう。
最後に
「学校に行きたくない」
とお子さんから言われると、保護者としてはとても心配になると思います。
「休ませていいの?」
「行かせた方がいいの?」
すぐに答えを出したくなるかもしれません。
しかし、大切なのは、
「学校に行かせる方法」を最初に探すことではなく、「なぜ今、学校へ行くことがつらくなっているのだろう?」と考えることです。
本人に聞いても、すぐには理由が分からないこともあります。
そんなときは、
家庭での様子。
学校での様子。
身体の変化。
本人の言葉。
表情や行動。
そうしたものを少しずつ見ながら、周囲の人たちと一緒に考えていきましょう。
そして、
「学校へ行けること」だけを唯一のゴールにしないこと。
安心して過ごせること。
自分の気持ちを伝えられること。
困ったときに助けを求められること。
好きなことに取り組めること。
人とのつながりを持てること。
そうしたことも、お子さんの成長にとって大切です。
保護者だけで答えを出す必要はありません。
学校や地域の相談機関などと一緒に、
「今、この子に必要なことは何だろう?」
と一つずつ考えていきましょう。
※不登校への対応は、お子さんの状況や背景によって異なります。腹痛や頭痛などの身体症状が続く場合や、強い不安・落ち込み、生活上の大きな変化などが見られる場合には、学校だけでなく医療機関などへの相談もご検討ください。
「勉強にはついていけているけれど、友だちとの関わりが苦手」
「授業中に集中することが難しい」
「読み書きの一部分だけ、とても苦手そう」
「通常の学級に通わせたいけれど、少し支援があった方が安心かもしれない」
お子さんの学校生活について、このような悩みを持つ保護者の方もいらっしゃると思います。
学校で支援を受けるというと、
「通常の学級」
「特別支援学級」
「特別支援学校」
を思い浮かべるかもしれません。
しかし、それ以外にも、
通常の学級に在籍しながら、必要な時間に特別な支援を受ける「通級による指導」
という仕組みがあります。
今回は「通級」とはどのようなものなのか、どんな支援を受けられるのかについて、できるだけ専門用語を使わずにご紹介します。
「通級」って何?
通級による指導は、普段は通常の学級で学校生活を送りながら、お子さんが必要とする支援を別の時間に受ける仕組みです。
簡単にいうと、
「普段はいつものクラスで過ごしながら、必要なことについて個別または少人数で支援を受ける」
というものです。
通常の学級で学校生活を送ることが基本となっているものの、一部分について特別な支援が必要なお子さんが利用します。
特別支援学級とは何が違うの?
名前が似ているため、
「通級と特別支援学級は同じなの?」
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
大きな違いは、どの学級に在籍しているかです。
通級を利用するお子さんは、基本的に通常の学級に在籍します。
普段は通常の学級で授業を受け、決められた時間に通級で必要な支援を受けます。
一方、特別支援学級を利用するお子さんは、特別支援学級に在籍します。
そのため、
通常の学級に在籍+必要な時間に通級
という方法も、学校で支援を受ける選択肢の一つなのです。
通級では何をするの?
実際に行われる内容は、お子さんが困っていることによって異なります。
例えば、
・自分の気持ちを相手に伝える練習
・人とのやりとりについて考える
・困ったときに助けを求める練習
・集中しやすい方法を一緒に考える
・自分に合った学習方法を見つける
・読み書きなどの苦手さに合わせた学習
・気持ちを落ち着かせる方法を考える
などがあります。
学校やお子さんによって内容は異なりますが、
「苦手なところを繰り返し勉強するだけの場所」ではありません。
「どうすれば本人が学校生活を送りやすくなるのか」を一緒に考えていくことも大切な役割です。
例えば、こんな困りごとがある場合
あるお子さんが、授業の内容は理解できているものの、先生から一度にたくさんの指示を受けると混乱してしまうとします。
「教科書を出して、20ページを開いて、ノートに日付を書いてください」
と言われると、途中で何をすればよいのか分からなくなってしまいます。
このような場合、
「一つずつ指示してもらう」
「黒板などに手順を書いてもらう」
などの方法によって分かりやすくなるかもしれません。
大切なのは、
「できないから何度も練習する」だけではなく、「どうすればできるのかを探す」ことです。
通級では、そのような方法について本人と一緒に考えていくこともあります。
通級を利用する子どもは、勉強が苦手なの?
必ずしもそうではありません。
学習そのものには大きな問題がなくても、
「友だちとのコミュニケーションが難しい」
「集中を続けることが難しい」
「特定の音などが気になって授業に集中できない」
「自分の気持ちをうまく伝えられない」
といったことで学校生活に困っているお子さんもいます。
反対に、
「話を聞いて理解することはできるけれど、文字を書くことだけがとても苦手」
といった場合もあります。
そのため、
「成績が悪いから通級に行く」
というものではありません。
本人が学校生活のどの部分で困っているのかを見ることが大切です。
診断がないと相談できないの?
「発達障害などの診断を受けていないと相談できないの?」
と思う保護者の方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、お子さんが学校生活の中で困っていることがあるのであれば、まず学校に相談してみることができます。
大切なのは、
「診断名があるかどうか」だけではなく、「実際にどのようなことで困っているのか」
ということです。
実際に通級を利用できるかどうかについては、お子さんの状況を踏まえ、学校や教育委員会などと相談しながら考えていくことになります。
地域によって利用までの手続きなども異なります。
「診断がないから相談してはいけない」と考えず、気になることがあればまず学校に話してみましょう。
「通級に行かせた方がいい」と思う前に
保護者から見て、
「通級に行った方がいいのでは?」
と思うこともあるでしょう。
そのときに大切なのは、
「本人は何に困っているのか」
を考えることです。
例えば、授業中に席を立ってしまうお子さんがいるとします。
「座っていられないから通級へ」
とすぐに考えるのではなく、
なぜ席を立つのかを考えてみます。
授業が分からないのかもしれません。
教室の音が気になっているのかもしれません。
長時間座っていることがつらいのかもしれません。
先生の説明が理解しにくいのかもしれません。
理由によって、必要な支援は変わります。
目に見える行動だけではなく、
「どうしてそうなっているのだろう?」
と考えてみることが大切です。
通級を利用すると授業に遅れない?
通級を検討するとき、
「その時間の授業を受けられなくなって、勉強が遅れない?」
と心配になる保護者の方もいらっしゃると思います。
通級を利用する時間や回数などは、お子さんや学校によって異なります。
場合によっては、通常の授業時間の一部を使って通級で指導を受けることもあります。
そのため、
「週に何時間くらい利用するのか」
「どの授業の時間に利用するのか」
「受けられなかった授業について、どのように対応するのか」
などを事前に学校へ確認しておくと安心です。
別の学校へ通う場合もあります
通級による指導は、自分が通っている学校の中で受けられる場合だけとは限りません。
地域や学校の状況によっては、通級のために別の学校へ行く場合もあります。
また、先生が学校を巡回して指導するなど、さまざまな形があります。
そのため、
「うちの学校には通級の教室が見当たらないから利用できない」
と自己判断する必要はありません。
学校に、
「通級について相談したいのですが、どのような方法がありますか?」
と確認してみましょう。
通級について誰に相談すればいい?
お子さんがすでに学校へ通っている場合は、まず担任の先生などに相談してみるのが一つの方法です。
例えば、
「授業中にこんなことで困っているようです」
「家庭では、学校についてこんな話をしています」
「通級という方法があると聞いたのですが、相談できますか?」
と伝えてみましょう。
必要に応じて、学校の中で支援を担当している先生や教育委員会などにつないでもらえる場合があります。
就学前であれば、就学相談の際に、
「通常の学級に在籍しながら受けられる支援には、どのようなものがありますか?」
と尋ねてみてもよいでしょう。
通級を利用することだけが支援ではありません
ここも大切なポイントです。
お子さんが学校で困っているからといって、
「必ず通級を利用しなければならない」
というわけではありません。
通常の学級の中でも、学校と相談することで、本人が学びやすくなるような工夫ができる場合があります。
例えば、
・座席の位置を工夫する
・一度にたくさんのことを伝えず、一つずつ伝える
・予定を見て分かるようにする
・必要に応じて休めるようにする
・プリントなどを本人が見やすい形に工夫する
などです。
どのような方法がよいかは、お子さんによって違います。
「通級に行くか、行かないか」だけで考えるのではなく、
「この子が学校で困っていることを減らすには、どんな方法があるだろう?」
という視点で考えてみましょう。
本人に「あなたはできないから」と伝えない
通級について考えるとき、本人への伝え方にも少し気をつけたいところです。
例えば、
「みんなと同じようにできないから行くんだよ」
と言われると、本人が自信を失ってしまうことがあります。
それよりも、
「勉強しやすい方法を一緒に探してくれる先生がいるよ」
「困ったときにどうすればいいか、一緒に考えてもらえるよ」
など、その子が理解できる言葉で前向きに説明してみてはいかがでしょうか。
支援を受けることは、
「できない子だから」ではありません。
その人に合った方法を見つけるためのものです。
通級を利用し始めた後も様子を見ていきましょう
通級の利用が始まったら、
「これで安心」
で終わりではありません。
「本人は通級をどう感じているのか」
「学校生活で困ることが減ってきたか」
「新しく困っていることはないか」
などを見ていきましょう。
そして、家庭・通常の学級・通級の先生などが必要な情報を共有することも大切です。
例えば、
「通級ではできているけれど、通常の学級では難しい」
ということがあれば、
「通級でうまくいっている方法を、普段の教室でも使えないだろうか?」
と考えることができます。
支援を一つの教室だけで終わらせず、普段の学校生活につなげていくことが大切です。
通級について相談するときに確認したいこと
通級の利用を考える場合は、例えば次のようなことを学校に確認してみましょう。
・どのような支援を受けられるのか
・週にどのくらい利用するのか
・どの時間に利用するのか
・自分の学校で受けられるのか
・別の学校へ行く必要があるのか
・利用するためにどのような手続きが必要なのか
・通常の学級の先生とはどのように情報を共有するのか
・本人にはどのように説明するのがよいか
すべてを一度に聞く必要はありません。
分からないことを一つずつ確認していきましょう。
最後に
学校で支援を受ける方法は、
「通常の学級か、特別支援学級か」
という二つだけではありません。
通常の学級で学びながら、必要な支援を受ける「通級による指導」という選択肢もあります。
そして、さらに大切なのは、
「どこで学ぶか」だけではなく、「どのようにすれば本人が学びやすくなるのか」
を考えることです。
子どもには、それぞれ得意なことと苦手なことがあります。
みんなと同じ方法では分かりにくくても、少し方法を変えるだけで理解できることがあります。
困ったときに助けを求める方法が分かれば、学校生活が少し楽になることもあります。
「うちの子には通級が必要なのかな?」
と思ったときも、保護者だけで結論を出す必要はありません。
まず、
「学校で、こんなことで困っているようです」
と先生に相談してみてください。
通級が合っているのか。
通常の学級の中で工夫できることがあるのか。
ほかの支援方法があるのか。
本人の様子を見ながら、一緒に考えていきましょう。
目指したいのは、特定の学級や教室に通うことではありません。
お子さんが「分かった」「できた」「学校で過ごしやすくなった」と感じられること。
そのために、その子に合った学び方や支援を探していくことが大切です。
※通級による指導の対象、利用方法、実施場所、利用時間、手続きなどは自治体や学校によって異なります。実際に利用を検討する際は、在籍する学校やお住まいの自治体の教育委員会などで最新の情報をご確認ください。
2026年8月13日 16:40投稿
「来年は小学校。でも、今のままで大丈夫かな?」
「通常の学級と特別支援学級、どちらが子どもに合っているんだろう?」
「就学相談を勧められたけれど、何をするの?」
小学校への入学が近づいてくると、お子さんの学校生活について心配になる保護者の方もいらっしゃると思います。
特に、発達について気になることがあったり、保育園や幼稚園などで支援を受けていたりすると、
「小学校では、どんな環境で学ぶのがこの子に合っているのだろう?」
と悩むこともあるでしょう。
そんなときに利用できるのが「就学相談」です。
今回は、就学相談とは何をするものなのか、いつ頃から相談すればよいのか、小学校入学までどのように進んでいくのかについて、できるだけ分かりやすくご紹介します。
「就学相談」って何?
就学相談とは、小学校への入学を控えたお子さんについて、
「どのような環境や支援があれば、安心して学校生活を送ることができるのか」
を保護者と一緒に考えていくための相談です。
例えば、
「大人数の中では落ち着いて過ごすことが難しい」
「言葉で自分の気持ちを伝えることが苦手」
「身の回りのことについて手助けが必要」
「集団活動への参加が難しい」
「学習についていけるか心配」
など、お子さんによって心配なことは違います。
そうしたお子さんの様子を確認しながら、入学後にどのような支援が必要なのかを考えていきます。
就学相談をしたら「特別支援学級に入る」ということ?
ここを心配される保護者の方もいらっしゃると思います。
「就学相談を受けたら、通常の学級には入れなくなるの?」
「特別支援学校を勧められて、そのまま決まってしまうの?」
そのように考えて、相談すること自体をためらってしまうこともあるかもしれません。
しかし、
就学相談をすることと、特定の学級や学校を選ぶことは同じではありません。
就学相談は、お子さんの様子や必要な支援について考えるための機会です。
「通常の学級で、どのような支援が考えられるのか」
「特別支援学級では、どのような学び方になるのか」
「特別支援学校では、どのような支援を受けられるのか」
など、それぞれについて情報を集めながら考えていくことが大切です。
いつ頃から相談すればいいの?
「年長になってから考えれば大丈夫?」
「もっと早く相談した方がいいの?」
と迷うこともあると思います。
就学相談の受付時期や進め方は自治体によって異なります。
そのため、就学について気になることがある場合は、年長になってから慌てて動くのではなく、早めに情報を集めておくと安心です。
例えば年中頃から、
「就学相談はいつから始まりますか?」
「学校見学はできますか?」
と、現在通っている園や自治体の教育関係の窓口などに確認しておくのもよいでしょう。
早めに相談するメリットは、
早く進路を決めるためではありません。
学校を見学したり、先生から話を聞いたり、家族で考えたりする時間を十分に取れることに意味があります。
まずは保育園や幼稚園の先生に相談してみても
「いきなり役所へ相談するのは少し不安」
という場合は、現在通っている保育園や幼稚園、認定こども園などの先生に相談してみる方法もあります。
先生は、家庭とは違った環境でのお子さんの姿を見ています。
例えば、
「少人数では落ち着いて活動できます」
「予定を先に伝えると行動しやすいです」
「困ったときに言葉で助けを求めることが難しいです」
など、園でのお子さんの様子を教えてもらえることがあります。
家庭での様子と園での様子の両方を知ることで、学校生活でどのような支援が必要なのかを考えやすくなります。
学校を実際に見てみましょう
就学先を考えるうえで、できれば行っていただきたいのが学校見学です。
「通常の学級」
「特別支援学級」
「特別支援学校」
という言葉だけで考えていても、実際の学校生活はなかなか想像できません。
可能であれば、実際に学校を見てみましょう。
見学するときは、
・教室には何人くらいいるか
・先生はどのように子どもと関わっているか
・授業はどのように進んでいるか
・休み時間はどのように過ごしているか
・困ったときに落ち着ける場所があるか
・給食や着替えなどではどのような支援があるか
などを見てみるとよいでしょう。
「この子の場合はどうなりますか?」と聞いてみる
学校見学では、一般的な説明だけを聞いて終わらせるのではなく、お子さんについて具体的に質問してみることも大切です。
例えば、
「大きな音が苦手なのですが、学校ではどのような対応がありますか?」
「気持ちの切り替えに時間がかかることがあります」
「トイレについて少し手助けが必要です」
「一斉に指示されると理解するのが難しいことがあります」
など、現在困っていることを伝えてみましょう。
そのうえで、
「このような場合、学校ではどんな支援が考えられますか?」
と聞いてみてください。
お子さんが実際に通う姿をイメージしやすくなります。
「できないこと」だけを伝えなくても大丈夫
就学相談というと、
「子どもができないことを説明する場所」
と思ってしまうかもしれません。
しかし、お子さんについて伝えるときは、苦手なことだけでなく、
得意なことや好きなことも伝えてください。
例えば、
「電車が大好きです」
「絵を描くことには長時間集中できます」
「少人数なら友だちと遊べます」
「写真で予定を見せると理解しやすいです」
「褒めてもらうと、とても意欲的になります」
などです。
こうした情報は、
「どのようにすれば、この子が学校で力を発揮できるのか」
を考えるための大切な材料になります。
診断名だけで就学先を考えない
例えば、
「自閉症だから特別支援学級」
「知的障害があるから特別支援学校」
というように、診断名だけで単純に就学先を考えることはできません。
同じ診断名でも、子どもによって必要な支援は違います。
大切なのは、
・どのような環境なら安心できるのか
・どのくらいの人数なら活動しやすいのか
・どのような説明なら理解しやすいのか
・どんな場面で助けが必要なのか
・本人は何を得意としているのか
などを、一人ひとりについて考えることです。
診断名ではなく、お子さん本人を見ること。
就学先を考えるうえで、とても大切な視点です。
保護者の希望も伝えましょう
就学相談では、
「専門家の話を聞かなければ」
と思うあまり、保護者自身の希望を伝えにくくなることもあるかもしれません。
しかし、家庭でお子さんを見ている保護者だからこそ分かることがあります。
「できれば地域のお友だちとの関係を大切にしたい」
「少人数で落ち着いて勉強してほしい」
「まずは学校へ安心して通えることを一番に考えたい」
など、現在考えていることを伝えてみましょう。
まだ希望が決まっていなくても構いません。
「どちらがいいのか分からないので相談したい」
というところから始めても大丈夫です。
本人の気持ちもできるだけ大切に
就学先を考えるときには、年齢や発達の状況に応じて、できる範囲で本人の気持ちも大切にしましょう。
言葉で、
「この学校がいい」
と説明できるとは限りません。
学校を見学したとき、
楽しそうだった。
緊張していた。
教室に入りたがった。
早く帰りたがった。
先生に自分から近づいていった。
そうした様子も、本人の気持ちを考える手がかりになります。
保護者や周囲の大人だけではなく、
「本人にとって、この環境はどうだろう?」
という視点も持ってみましょう。
入学までの大まかな流れ
自治体によって時期や方法は異なりますが、就学について気になる場合、大まかには次のように進めていきます。
① 園や自治体などに就学について相談する
↓
② お子さんの現在の様子や必要な支援について伝える
↓
③ 必要に応じて学校見学や相談などを行う
↓
④ 通常の学級・特別支援学級・特別支援学校など、それぞれの環境について情報を集める
↓
⑤ 本人や保護者の希望も含めて、適切な学びの場について話し合う
↓
⑥ 就学先について決定していく
↓
⑦ 入学に向けて必要な準備や情報の引き継ぎを行う
実際の手続きや決定までの流れは自治体によって異なります。
「いつまでに何をすればいいの?」
と思ったら、早めにお住まいの自治体へ確認してみましょう。
入学する学校が決まったら「引き継ぎ」も大切です
就学先が決まったら、
「これで一安心」
と思うかもしれません。
しかし、もう一つ大切なことがあります。
それが、お子さんについての情報を学校へ伝えることです。
例えば、
・好きなこと
・苦手なこと
・落ち着きやすい方法
・分かりやすい伝え方
・困ったときに見られる行動
・現在受けている支援
・家庭でうまくいっている方法
などです。
保育園や幼稚園などでうまくいっている支援方法があれば、それも学校に伝えておくと参考になります。
「この子は○○ができません」
だけではなく、
「こうするとできることがあります」
という情報を伝えることが特に大切です。
入学後も相談していい
小学校に入学した後、
「思っていたより疲れている」
「学校へ行きたがらなくなった」
「授業中に困っているようだ」
など、新しい課題が出てくることもあります。
入学前に決めた方法が、ずっとその子に合い続けるとは限りません。
子どもは成長しますし、環境も変化します。
気になることがあれば学校と話し合いながら、
「今、この子に必要な支援は何だろう?」
と考えていきましょう。
最後に
小学校への入学は、お子さんにとっても、ご家族にとっても大きな節目です。
だからこそ、
「間違った選択をしたくない」
と思うのは自然なことだと思います。
しかし、就学相談は、
「子どもの進路を決めてもらうためだけの場所」
ではありません。
お子さんの得意なこと。
苦手なこと。
安心できる環境。
必要な支援。
本人の気持ち。
保護者の希望。
そうしたことを一つずつ整理しながら、
「この子が安心して学び、成長するためには、どんな環境が合っているだろう?」
と一緒に考えていくための機会です。
まだ答えが決まっていなくても大丈夫です。
むしろ、分からないからこそ相談することができます。
そして、学校を選ぶときに大切なのは、
「どの学校・学級に入ったか」だけではありません。
入学した後、お子さんが安心して通えること。
学ぶことを楽しめること。
できることが少しずつ増えていくこと。
困ったときに助けてもらえること。
そうした毎日の学校生活を考えながら、お子さんに合った学びの場を探していきましょう。
※就学相談の受付時期、学校見学、就学先決定までの手続きなどは自治体によって異なります。実際に就学を検討する際は、お住まいの市区町村の教育委員会などで最新の情報をご確認ください。
「小学校への入学を考えているけれど、通常の学級で大丈夫なのかな?」
「特別支援学級と特別支援学校は何が違うの?」
「子どもには、どちらが合っているんだろう?」
お子さんの就学を考える時期になると、このような悩みを持つ保護者の方もいらっしゃると思います。
特に初めて就学について考える場合、
「特別支援学級」
「特別支援学校」
という似た名前が出てくるため、違いが分かりにくいかもしれません。
今回は、それぞれどのような場所なのか、そしてお子さんの学びの場を考えるときに何を大切にすればよいのかを、できるだけ分かりやすくご紹介します。
特別支援学級とは?
特別支援学級は、小学校や中学校などの中に設けられている学級です。
障害などによって、学習や学校生活で支援を必要とする子どもたちが、一人ひとりの状況に合わせて学びます。
例えば、
「大人数の授業では集中することが難しい」
「自分のペースで学習した方が理解しやすい」
「学校生活の中で継続した支援が必要」
など、お子さんによって必要な支援はさまざまです。
少人数で学習することなどによって、その子に合わせた学び方を取り入れやすいことが特徴の一つです。
通常の学級とはまったく別なの?
特別支援学級に在籍したら、
「一日中、通常の学級とは別に過ごすの?」
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
必ずしもそうとは限りません。
お子さんの状況や学校での取り組みなどによっては、通常の学級の子どもたちと一緒に授業や学校行事などに参加することがあります。
例えば、
「国語や算数は特別支援学級で学び、体育や音楽は通常の学級で一緒に参加する」
といった形が取られることもあります。
ただし、実際の学び方や交流の方法は、お子さんの状況や学校によって異なります。
見学や相談の際に、
「一日のうち、どのように過ごすことになりますか?」
と具体的に確認してみると分かりやすいでしょう。
特別支援学校とは?
特別支援学校は、障害のある子どもたちが学ぶ学校です。
幼稚部、小学部、中学部、高等部などが設置されている場合があります。
一般的な教科の学習だけでなく、お子さんの状況に合わせて、
・コミュニケーション
・日常生活に必要なこと
・身体の動かし方
・社会生活に必要なこと
・将来の生活や仕事につながること
などについても学びます。
大切なのは、
「勉強をする場所ではない」わけではない
ということです。
国語や算数などの学習も含め、一人ひとりの状態や成長に合わせた教育が行われています。
特別支援学級と特別支援学校の大きな違い
簡単に整理すると、
特別支援学級
→ 一般の小学校・中学校などの中にある学級
特別支援学校
→ 障害のある子どもたちの教育を行う学校
という違いがあります。
ただし、
「障害が軽ければ特別支援学級、重ければ特別支援学校」
と単純に分けて考えるのはおすすめできません。
同じ障害名であっても、必要な支援は一人ひとり違います。
そのため、診断名だけではなく、
「その子が学校生活を送るために、どのような支援が必要なのか」
という視点で考えることが大切です。
どちらを選べばいいの?
保護者の方が最も悩むところだと思います。
しかし、
「こちらを選べば絶対に正解」
という答えがあるわけではありません。
例えば、
・どのくらいの人数なら落ち着いて学べるか
・先生からどの程度の支援が必要か
・言葉で気持ちを伝えられるか
・身の回りのことをどの程度できるか
・集団での活動はどの程度できるか
・どのようなことが得意なのか
・どんなことが苦手なのか
など、さまざまな面から考える必要があります。
そして何より、
「その環境で本人が安心して学び、生活できるか」
という視点を大切にしてほしいと思います。
「勉強についていけるか」だけで考えない
学校を選ぶとき、
「算数ができるから通常の学級」
「勉強が苦手だから特別支援学級」
というように、学力だけで考えてしまうことがあります。
しかし、学校生活は勉強だけではありません。
休み時間。
給食。
着替え。
掃除。
学校行事。
友だちとの関わり。
予定の変更。
一日の学校生活には、さまざまな場面があります。
勉強は理解できても、大人数の中で長時間過ごすことに大きな負担を感じるお子さんもいます。
反対に、苦手な教科について支援を受けながら、集団の中では楽しく過ごせるお子さんもいます。
そのため、
「勉強ができるか」だけではなく、「学校生活全体をどのように過ごせるか」
を考えることが大切です。
本人の気持ちも大切にしましょう
年齢や発達の状況にもよりますが、できる範囲で本人の気持ちも聞いてみましょう。
「どんな学校だったら行ってみたい?」
「人が多い教室と少ない教室では、どちらが落ち着く?」
など、本人が答えられる方法で聞いてみるのも一つです。
言葉で気持ちを伝えることが難しい場合でも、学校見学をしたときの表情や様子が参考になることがあります。
大人だけで決めるのではなく、
本人がどう感じているのか
という視点も忘れないようにしましょう。
できれば実際に学校を見てみましょう
パンフレットやホームページを見るだけでは、学校の雰囲気までは分かりません。
可能であれば、学校見学などの機会を利用して実際に見てみましょう。
例えば、
・教室の人数
・教室の雰囲気
・先生と子どもの関わり方
・どのような授業をしているか
・子どもたちがどのように過ごしているか
・落ち着いて過ごせる場所があるか
などを見てみてください。
そして、
「自分の子どもが、この教室で過ごしている姿を想像できるか」
と考えてみることも大切です。
見学するときに聞いておきたいこと
学校を見学したときには、分からないことを遠慮せず質問しましょう。
例えば、
「一日の流れを教えてください」
「通常の学級との交流はありますか?」
「子どもが困ったときには、どのような支援をしていますか?」
「給食や着替えなどでは、どのような支援がありますか?」
「登下校についてはどうなっていますか?」
「学校卒業後の進路について、どのような取り組みをしていますか?」
などです。
特に、お子さんについて気になっていることがあれば、
「うちの子は○○が苦手なのですが、この学校ではどのような対応が考えられますか?」
と具体的に聞いてみるとよいでしょう。
「一度決めたら、ずっと同じ」とは限りません
就学先を考えるとき、
「ここで選択を間違えたら、ずっと変えられないのでは?」
と不安になる保護者の方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、子どもは成長します。
入学したときに必要だった支援と、数年後に必要な支援が同じとは限りません。
お子さんの成長や状況の変化などに応じて、学校と相談しながら、その後の学びの場について考えていくことも大切です。
就学について迷ったら相談しましょう
「特別支援学級と特別支援学校、どちらが子どもに合っているのか分からない」
「通常の学級も含めて考えたい」
そんなときは、一人で決める必要はありません。
お住まいの市区町村の教育委員会などでは、就学について相談することができます。
また、
・現在通っている保育園や幼稚園
・学校
・発達について相談している機関
・医療機関
などから意見を聞くことも参考になります。
いろいろな人の意見を聞いたうえで、お子さん本人や保護者の希望も大切にしながら考えていきましょう。
「通常の学級に入ること」がゴールではありません
保護者の方の中には、
「できれば通常の学級に入れてあげたい」
と考える方もいらっしゃると思います。
反対に、
「特別支援学校の方が安心なのでは?」
と考える方もいるでしょう。
どちらの気持ちも、お子さんの将来を考えているからこそ生まれるものだと思います。
しかし、大切なのは、
「どの学級・学校に入ったか」ではありません。
その場所で、
安心して過ごせること。
分かることが増えること。
できることが増えること。
好きなことを見つけること。
人との関わりを経験すること。
そして、
「学校に行ってよかった」と本人が感じられること。
そうした毎日の積み重ねの方が大切です。
最後に
特別支援学級と特別支援学校。
名前は似ていますが、学ぶ環境や支援の方法などには違いがあります。
だからといって、
「どちらの方が良い」
というものではありません。
大切なのは、
「どちらが、この子に合っているだろう?」
という視点です。
周りのお子さんと比べる必要もありません。
同じ診断名のお子さんと同じ進路を選ぶ必要もありません。
その子が得意なこと。
苦手なこと。
安心できる環境。
必要としている支援。
そして本人やご家族の希望。
それらを一つずつ考えながら、その子に合った学びの場を探していきましょう。
迷ったときは、学校や教育委員会などの相談窓口を利用し、実際に学校を見学してみることもおすすめします。
就学先を決めることだけが目的ではありません。
お子さんがこれから安心して学び、成長していける環境を一緒に探すこと。
それが、学校選びで最も大切なことではないでしょうか。
※特別支援学級・特別支援学校への就学に関する仕組みや相談方法などは、地域やお子さんの状況によって異なります。実際に就学を検討する際は、お住まいの市区町村の教育委員会や学校などで最新の情報をご確認ください。
2026年8月10日 20:40投稿
「放課後等デイサービスを利用したいと相談したら、相談支援事業所という言葉が出てきた」
「受給者証の手続きをしていると、利用計画が必要と言われた」
「相談員さんって、いったい何をしてくれる人なの?」
初めて障害福祉サービスについて調べていると、聞き慣れない言葉が次々に出てきます。
その一つが、**「相談支援事業所」**です。
名前だけを見ると少し難しそうですが、簡単にいうと、
「本人や家族の困りごとを聞き、必要な福祉サービスや支援を一緒に考えてくれるところ」
です。
今回は、相談支援事業所とはどのようなところなのか、相談員は何をしてくれるのかについて、できるだけ分かりやすくご紹介します。
相談支援事業所ってどんなところ?
お子さんの発達や障害について考え始めると、
「どんなサービスがあるの?」
「放課後等デイサービスを利用するにはどうしたらいい?」
「学校卒業後のことが心配」
など、さまざまな疑問が出てくると思います。
しかし、福祉サービスにはたくさんの種類があります。
初めて利用する保護者の方が、そのすべてを自分で調べて判断するのは簡単ではありません。
そんなときに相談できる場所の一つが、相談支援事業所です。
お子さんやご家族の状況を聞きながら、
「どのような支援が必要なのか」
を一緒に整理していきます。
相談員は何をしてくれるの?
相談支援事業所には、福祉サービスについて相談を受ける「相談員」がいます。
例えば、
「放課後等デイサービスを利用したい」
「子どもに合うサービスが分からない」
「今利用しているサービスについて悩んでいる」
「学校卒業後の生活について考えたい」
といった相談をすることができます。
相談員は、保護者に代わってすべてを決める人ではありません。
本人や家族の希望を聞きながら、
「これからどんな生活をしていきたいのか」
を一緒に考え、必要な支援につなげていく役割を持っています。
「利用計画」を一緒に考えてくれます
児童発達支援や放課後等デイサービスなどを利用するときに、
「利用計画」
という言葉を聞くことがあります。
名前だけを見ると、
「難しい書類を作らなければいけないの?」
と不安になるかもしれません。
利用計画は簡単にいうと、
「お子さんやご家族が現在どのようなことで困っていて、どのような生活を目指し、そのためにどのような支援を利用していくのか」
を整理したものです。
例えば、
「人とのやりとりを少しずつ経験してほしい」
「学校以外にも安心して過ごせる場所をつくりたい」
「自分でできることを少しずつ増やしてほしい」
など、お子さんやご家族によって希望は違います。
相談員は、そうした話を聞きながら計画を一緒に考えてくれます。
「どこの放課後等デイサービスがいい?」も相談できる?
放課後等デイサービスを探していると、
「事業所がたくさんありすぎて選べない」
ということもあると思います。
そんなときも、相談員に相談することができます。
例えば、
「少人数で過ごせるところを探しています」
「運動が好きなので、身体を動かせるところがいいです」
「大きな音が苦手なので、落ち着いたところを探しています」
など、お子さんの特徴や希望を伝えてみましょう。
地域にどのような事業所があるのかについて、情報を教えてもらえる場合があります。
ただし、最終的に利用する事業所を決めるのは本人やご家族です。
紹介されたからといって、その事業所を必ず利用しなければならないわけではありません。
可能であれば実際に見学して、お子さんに合っているか確認してみましょう。
サービスを利用した後も相談できます
相談支援は、
「サービスを利用するまでの手続きを手伝って終わり」
ではありません。
実際に利用を始めてからも、お子さんの様子や生活の変化などについて相談することができます。
例えば、
「最近、放課後等デイサービスへ行きたがらなくなった」
「学校生活で困ることが増えてきた」
「利用日数を見直したい」
「成長して、必要な支援が変わってきた」
といったことが出てくるかもしれません。
子どもは成長します。
当然、必要な支援もずっと同じとは限りません。
相談員は定期的に状況を確認しながら、必要に応じて支援の内容について一緒に考えていきます。
学校や事業所などとの「橋渡し」になることも
お子さんを支えているのは、放課後等デイサービスだけではありません。
家庭。
学校。
児童発達支援。
放課後等デイサービス。
医療機関。
行政機関。
さまざまな人や場所がお子さんに関わることがあります。
それぞれが別々に考えるより、必要な情報を共有しながら支援した方がよい場合もあります。
本人や保護者の希望を確認しながら、相談員が関係する人たちとの連絡や調整を行うこともあります。
相談員は、こうした**「支援する人たちをつなぐ役割」**も担っています。
保護者の悩みを相談してもいいの?
もちろんです。
相談支援は、お子さんについての手続きだけをする場所ではありません。
例えば、
「子どもの将来が心配」
「きょうだいとの関係で悩んでいる」
「福祉制度が複雑で分からない」
「学校とのやりとりで困っている」
「これからどんなサービスを利用したらいいのか分からない」
など、お子さんの生活や支援に関係する悩みについて相談することもできます。
相談したからといって、必ず何かのサービスを増やさなければならないわけではありません。
まず話をして、困っていることを整理するだけでも構いません。
相談員にも相性があります
ここは、ぜひ知っておいていただきたいところです。
相談員も一人の人です。
話しやすいと感じる人もいれば、
「少し相談しにくいな」
と感じることもあるかもしれません。
大切なのは、
保護者の希望だけでなく、本人の気持ちや生活も大切にして考えてくれるか
ということです。
例えば、
・話を最後まで聞いてくれる
・難しい制度を分かりやすく説明してくれる
・本人や家族の希望を聞いてくれる
・一つのサービスを一方的に勧めない
・分からないことを質問しやすい
なども、相談員との関係を考えるポイントになります。
相談員に全部任せればいいわけではありません
相談員は心強い存在ですが、
「相談員に全部決めてもらえばいい」
というものでもありません。
最も大切なのは、
お子さん本人とご家族がどうしたいのか
ということです。
「この子には、どんな生活をしてほしいだろう?」
「本人は何を楽しんでいるだろう?」
「今、一番困っていることは何だろう?」
こうしたことを相談員と一緒に考えていきましょう。
相談員は「答えを決める人」ではなく、
一緒に選択肢を考えてくれる人
と考えると分かりやすいかもしれません。
相談するときに準備しておくとよいこと
初めて相談するときは、何を話せばよいのか分からないこともあると思います。
そんなときは、
・お子さんの年齢
・現在通っている学校や園
・家庭や学校で困っていること
・現在利用している福祉サービス
・これから利用してみたいサービス
・本人が好きなこと、得意なこと
・本人が苦手なこと
・これからどんな生活をしてほしいか
などを簡単にメモしておくと話しやすくなります。
全部決まっていなくても大丈夫です。
むしろ、
「何を利用したらいいのか分からない」
ということ自体を相談して構いません。
相談支援事業所はどうやって探すの?
お住まいの市区町村の障害福祉を担当する窓口などで相談することができます。
例えば、
「子どもの放課後等デイサービスを利用したいのですが、相談支援事業所について教えてください」
と尋ねてみましょう。
自治体のホームページなどに、相談支援事業所の一覧が掲載されている場合もあります。
ただし、事業所によって対応している地域や対象者などが異なったり、新しい相談を受け付けていなかったりする場合があります。
実際に利用するときは、事前に確認してみてください。
「セルフプラン」という言葉を聞いたら?
手続きをしていると、
「セルフプラン」
という言葉を聞くことがあるかもしれません。
これは簡単にいうと、相談支援事業所に利用計画を作ってもらうのではなく、本人や家族などが中心となって計画を作る方法です。
自治体によって取り扱いや手続きが異なります。
「相談員を探したけれど見つからない」
「セルフプランを案内された」
という場合は、内容をよく確認してから進めましょう。
分からない場合は、
「相談員にお願いする場合と何が違いますか?」
と市区町村の窓口で聞いてみてください。
最後に
福祉サービスについて調べ始めると、
受給者証。
利用計画。
児童発達支援。
放課後等デイサービス。
さまざまな言葉が出てきます。
初めての保護者の方が、
「難しくてよく分からない」
と感じるのは不思議なことではありません。
すべてを自分だけで理解して、すべてを自分だけで決める必要もありません。
そんなときに、一緒に考えてくれる存在の一つが相談員です。
そして相談員に伝えるときも、専門的な言葉を使う必要はありません。
「今、こんなことで困っています」
「子どもには、こんな生活をしてほしいと思っています」
そこから始めれば大丈夫です。
福祉サービスを利用することそのものが目的ではありません。
大切なのは、必要な支援を上手に使いながら、
お子さん本人とご家族が、より安心して生活できるようにすることです。
分からないことがあれば一人で抱え込まず、相談できる人と一緒に、一つずつ整理していきましょう。
※相談支援の利用方法や利用計画の作成方法、セルフプランの取り扱いなどは自治体や利用するサービスによって異なる場合があります。実際に手続きを行う際は、お住まいの市区町村などで最新の情報をご確認ください。
「放課後等デイサービスを利用してみたいけれど、うちの子は障害者手帳を持っていない」
「発達について気になるところはあるけれど、診断は受けていない」
「手帳がないと利用できないのでは?」
放課後等デイサービスを初めて調べている保護者の方から、このような疑問が出ることがあります。
結論からいうと、障害者手帳を持っていないからという理由だけで、放課後等デイサービスを利用できないとは限りません。
今回は、手帳を持っていないお子さんが放課後等デイサービスを利用する場合について、できるだけ専門用語を使わずにご説明します。
放課後等デイサービスはどんな子どもが利用するの?
放課後等デイサービスは、学校に通っていて、日常生活や人との関わりなどについて支援を必要としているお子さんが、放課後や夏休みなどに利用する福祉サービスです。
例えば、
・人とのコミュニケーションが苦手
・集団で行動することが難しい
・気持ちの切り替えに時間がかかる
・身の回りのことについて支援が必要
・学校が終わった後に安心して過ごせる場所が必要
・社会との関わりを少しずつ経験してほしい
など、お子さんによって利用する理由はさまざまです。
障害者手帳がなくても利用できる場合があります
ここが今回の一番大切なポイントです。
放課後等デイサービスを利用するために、
「必ず障害者手帳を持っていなければならない」
というわけではありません。
例えば神戸市では、支援が必要と認められる学校に通っているお子さんについて、手帳の有無にかかわらず、児童相談所や医師などから支援の必要性が認められた場合には対象となることが案内されています。
そのため、
「手帳を持っていないから放課後等デイサービスについて相談できない」
と考える必要はありません。
「診断がない場合」はどうなるの?
「では、自閉症や発達障害などの診断がない場合は?」
という疑問もあると思います。
これについても、
診断がないという理由だけで、最初から相談をあきらめる必要はありません。
大切なのは、病名があるかどうかだけではなく、
「実際の生活の中で、どのようなことに困っているのか」
「どのような支援が必要なのか」
ということです。
ただし、放課後等デイサービスは、誰でも自由に利用できる一般的な習い事や学童とは違います。
実際に利用するためには、お住まいの市区町村に相談し、支援が必要かどうかについて確認を受ける必要があります。
「受給者証」が必要です
放課後等デイサービスを利用するときに大切なのが、
「障害児通所受給者証」
です。
名前は少し難しいですが、
簡単にいうと、
「このお子さんは、この福祉サービスを利用できます」
ということを市区町村が確認して発行するものです。
障害者手帳と受給者証は別のものです。
そのため、
障害者手帳は持っていないけれど、受給者証を取得して放課後等デイサービスを利用する
というケースもあります。
手帳と受給者証は何が違うの?
初めての方には、ここが少し分かりにくいところです。
障害者手帳は、障害の種類や状態などに応じて交付されるものです。
一方、放課後等デイサービスで必要になる受給者証は、
福祉サービスを利用するためのもの
と考えると分かりやすいでしょう。
つまり、
「障害者手帳を持っている=自動的に放課後等デイサービスを利用できる」
わけでもなく、
反対に、
「障害者手帳を持っていない=利用できない」
というわけでもありません。
「うちの子は対象になる?」と思ったら、まず相談を
例えば、
「授業中にじっと座っていることが難しい」
「友だちとのトラブルが多い」
「予定が変わると、とても混乱してしまう」
「学校が終わった後の過ごし方に困っている」
「生活の中でできることを増やしたい」
などの悩みがあり、
「放課後等デイサービスを利用した方がいいのかな?」
と思ったら、まず相談してみましょう。
相談先としては、
・お住まいの市区町村の担当窓口
・障害や発達について相談できる窓口
・相談支援を行っている事業所
・学校
・医療機関
などがあります。
どこへ相談すればいいのか分からない場合は、まず市区町村の窓口に、
「子どもの発達について気になることがあり、放課後等デイサービスについて相談したいのですが」
と伝えてみるとよいでしょう。
相談するときは「困っていること」を伝えましょう
相談するときに、
「専門的な説明をしなければいけないのでは?」
と心配する必要はありません。
例えば、
「学校ではこんなことで困っています」
「家ではこんな様子です」
「本人がこういうときに困っています」
など、普段のお子さんの様子をそのまま伝えてみてください。
事前に簡単なメモを作っておくのもおすすめです。
例えば、
・学校で困っていること
・家庭で困っていること
・本人が苦手にしていること
・本人が得意なこと
・好きなこと
・どのような支援があれば助かると思うか
などを書いておくと、相談しやすくなります。
放課後等デイサービスを利用するまでの大まかな流れ
自治体によって多少異なりますが、大まかな流れは、
① 市区町村などへ相談する
↓
② お子さんの状況について確認を受ける
↓
③ 必要な申請をする
↓
④ 必要に応じて利用についての計画を作る
↓
⑤ 市区町村が利用について決定する
↓
⑥ 受給者証が発行される
↓
⑦ 利用したい放課後等デイサービスと契約する
↓
⑧ 利用開始
という形になります。
最初からこの手続きを全部覚える必要はありません。
まずは、
「放課後等デイサービスについて相談したい」
と伝えるところから始めてみましょう。
手帳を取るかどうかと、放課後等デイサービスの利用は分けて考えましょう
保護者の方の中には、
「放課後等デイサービスを利用するために、障害者手帳を取らなければいけないの?」
と不安になる方もいるかもしれません。
しかし、手帳を取得することと、放課後等デイサービスを利用することは、分けて考えることが大切です。
手帳を取得した方がよいのかどうかについては、お子さんの状況や今後利用する制度などによっても変わります。
放課後等デイサービスを利用したいという理由だけで、
「まず手帳を取らなければ」
と考える必要はありません。
分からない場合は、市区町村などに相談しながら考えていきましょう。
「診断名」だけではなく、お子さん本人を見ましょう
放課後等デイサービスについて考えていると、
「自閉症だから」
「ADHDだから」
と、診断名に目が向きやすくなることがあります。
しかし、同じ診断名のお子さんでも、得意なことや苦手なことは一人ひとり違います。
反対に、診断を受けていなくても、生活の中で困っていることがあるお子さんもいます。
大切なのは、
「何という診断名なのか」だけではなく、「この子は今、何に困っているのか」
を見ることです。
そして、
「どんな支援があれば、この子が少し過ごしやすくなるだろう?」
という視点で考えてみましょう。
放課後等デイサービスを利用することがゴールではありません
受給者証が発行されて、放課後等デイサービスを利用できるようになった。
そこで終わりではありません。
大切なのは、
その事業所がお子さんに合っているかどうかです。
例えば、
・お子さんが安心して過ごしているか
・職員との関係は良いか
・お子さんの得意なことを大切にしてくれるか
・困ったときに適切に支援してくれるか
・保護者が相談しやすいか
などを見ていきましょう。
受給者証は、サービスを利用するための入口です。
その先にある、
「お子さんに合った支援を見つけること」
の方が大切です。
最後に
「障害者手帳を持っていないから、放課後等デイサービスは利用できない」
と思っていた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、放課後等デイサービスでは、手帳を持っていないお子さんでも、支援が必要と認められれば利用できる場合があります。
大切なのは、
「手帳があるか」
だけで判断することではありません。
お子さんが実際の生活の中で困っていることがあり、
「何か支援があった方がいいのかな?」
と感じたのであれば、まず相談してみてください。
相談したからといって、必ず放課後等デイサービスを利用しなければならないわけでもありません。
話を聞いてもらい、
「今は別の方法が合っている」
ということもあります。
最初から答えを出す必要はありません。
お子さんが困っていること。
得意なこと。
好きなこと。
ご家庭で困っていること。
そうしたことを一つずつ整理しながら、その子に合った支援を探していきましょう。
※放課後等デイサービスの利用条件や申請に必要な書類などは、お子さんの状況や自治体によって異なる場合があります。実際に利用を検討する場合は、お住まいの市区町村などで最新の情報をご確認ください。
2026年8月10日 6:30投稿
「放課後等デイサービスを利用してみたいけれど、毎月いくらかかるの?」
「週に何回も利用したら、かなり高くなるのでは?」
「家庭の収入によって料金が違うって本当?」
放課後等デイサービスを初めて検討する保護者の方にとって、利用料金は気になることの一つだと思います。
福祉サービスの料金制度は少し分かりにくく、
「結局、毎月いくら払えばいいの?」
と思ってしまうこともあるかもしれません。
今回は、放課後等デイサービスの利用料金について、できるだけ専門用語を使わずにご説明します。
※この記事では全国共通の基本的な仕組みに加えて、神戸市の制度についてもご紹介します。
放課後等デイサービスは「利用料金のすべて」を家庭が払うわけではありません
まず知っておいていただきたいのは、放課後等デイサービスの利用にかかる費用を、保護者がすべて負担するわけではないということです。
原則として、保護者が負担するのはサービスにかかった費用の1割です。
残りの費用は公費でまかなわれます。
ただし、
「1割なら、たくさん利用すると毎月どんどん高くなるの?」
と心配になるかもしれません。
そこで設けられているのが、1か月に支払う自己負担額の上限です。
1か月に支払う金額には「上限」があります
放課後等デイサービスでは、家庭の所得などに応じて、
「1か月にこれ以上はサービス利用料を負担しなくてよい」
という上限額が決められています。
そのため、利用する日数が増えるたびに、自己負担額が際限なく増えていく仕組みではありません。
例えば、月の上限額が4,600円の家庭の場合。
サービス利用料の自己負担分を計算した結果、
3,000円であれば、
支払いは3,000円。
7,000円になったとしても、
サービス利用料については上限の4,600円まで。
という考え方になります。
「上限額=必ず毎月支払う金額」ではないことも覚えておきましょう。
実際の自己負担額が上限額より少なければ、その少ない金額を支払います。
全国の基本的な負担上限額は?
国の制度では、家庭の所得などによって月々の負担上限額が分けられています。
大まかには、
生活保護を受けている世帯
→ 0円
市町村民税がかからない世帯
→ 0円
市町村民税がかかる世帯で、一定の所得以下の場合
→ 月額上限4,600円
それより所得が高い世帯
→ 月額上限37,200円
となっています。
ただし、自治体によって独自の負担軽減制度が設けられている場合があります。
そのため、お住まいの自治体の制度を確認することが大切です。
神戸市では負担額がさらに軽減されています
神戸市では、障害のある子どもの福祉サービスについて、独自に利用者負担を軽減しています。
現在の神戸市の放課後等デイサービスの月額上限は、次のようになっています。
生活保護世帯・市民税非課税世帯
→ 0円
市民税の所得割額が3万3千円未満の世帯
→ 月額上限1,700円
市民税の所得割額が28万円未満の世帯
→ 月額上限4,600円
市民税の所得割額が46万円未満の世帯
→ 月額上限13,600円
市民税の所得割額が46万円以上の世帯
→ 月額上限16,620円
となっています。
「自分の家庭はどの区分になるの?」
と思う方も多いでしょう。
無理に自分で計算する必要はありません。
放課後等デイサービスを利用するための「受給者証」には、原則としてご家庭の負担上限月額が記載されます。
分からない場合は、お住まいの区役所などに確認してみましょう。
「年収○万円だから○円」と単純には決まりません
ここは少し注意が必要です。
インターネットでは、
「年収890万円以下なら4,600円」
などと説明されていることがあります。
国も、一般的な目安として「収入がおおむね890万円以下」と案内しています。
しかし、実際の区分は単純に年収だけを見て決めるわけではありません。
税金の金額などをもとに判断されるため、同じような年収でも家庭の状況によって異なる場合があります。
そのため、
「年収だけを見て、自分の負担額を決めつけない」
ことが大切です。
正確な負担上限額は、受給者証や自治体の窓口で確認しましょう。
では、週5日利用しても上限額は同じ?
基本的な考え方としては、サービス利用料の自己負担には月額上限があります。
例えば、負担上限額が4,600円の家庭で、利用回数が増えて自己負担分が4,600円を超えた場合でも、サービス利用料については原則として4,600円が上限になります。
そのため、
「週1回だから4,600円」
「週5回だから5倍の23,000円」
という仕組みではありません。
ただし、お子さんが利用できる日数については、受給者証に定められた範囲があります。
希望すれば何日でも自由に利用できるというわけではありませんので、利用日数については自治体や事業所などと相談しましょう。
注意!「上限額に含まれない費用」もあります
ここは、放課後等デイサービスを選ぶときにぜひ確認していただきたいところです。
先ほどご説明した月額上限は、基本的に福祉サービスそのものの利用料についてのものです。
事業所によっては、それとは別に実費が必要になる場合があります。
例えば、
・おやつ代
・昼食代
・外出したときの入場料
・工作などに使う材料費
・行事などにかかる費用
などです。
こうした費用は、月額上限とは別に支払う場合があります。
例えば、
「負担上限額が4,600円だから、毎月必ず4,600円だけで済む」
とは限りません。
実費を含めると、それ以上になることがあります。
見学するときに料金について聞いておきましょう
放課後等デイサービスを見学するときには、
「利用料金以外に毎月必要になる費用はありますか?」
と聞いてみることをおすすめします。
さらに、
「おやつ代はいくらですか?」
「外出活動では別途費用がかかりますか?」
「夏休みの昼食は持参ですか?」
「イベントの参加費はありますか?」
など、具体的に確認してみましょう。
数百円程度でも、利用回数が多くなると毎月の費用に差が出ることがあります。
契約する前に確認しておけば安心です。
複数の放課後等デイサービスを利用したら上限額も2倍?
お子さんによっては、
「月曜日と水曜日はA事業所」
「火曜日と金曜日はB事業所」
というように、複数の事業所を利用する場合があります。
この場合、
「事業所が2か所だから、上限額も2倍になるの?」
と思うかもしれません。
基本的には、上限額は事業所ごとではなく、その家庭について1か月の負担上限額が決められるものです。
複数の事業所を利用する場合には、合計した自己負担額が上限を超えないよう調整する仕組みがあります。
実際の支払い方法については、利用する事業所から説明を受けてください。
「料金が安いところ」で選ぶべき?
もちろん、毎月の費用は家庭にとって大切です。
しかし、放課後等デイサービスのサービス利用料そのものは公的な制度にもとづいて計算されるため、一般的なお店のように、
「A事業所は1日1,000円、B事業所は1日3,000円」
と自由に料金を決めているわけではありません。
そのため、事業所を選ぶときには料金だけではなく、
・お子さんに合った支援をしてくれるか
・職員がお子さんにどのように接しているか
・安心して過ごせる環境か
・どのような活動をしているか
・送迎は利用できるか
・保護者が相談しやすいか
なども確認することをおすすめします。
料金について分からなければ「受給者証」を確認しましょう
放課後等デイサービスを利用するために発行される受給者証には、サービスについてのさまざまな情報が記載されています。
その中には、
「負担上限月額」
も記載されています。
「自分はいくら払えばいいの?」
と分からなくなったら、まず受給者証を確認してみましょう。
それでも分からなければ、
・お住まいの市区町村の担当窓口
・相談を担当している相談員
・利用している放課後等デイサービス
などに確認してみてください。
最後に
放課後等デイサービスの料金について、
「毎日利用したら、とても高額になるのでは?」
と心配していた保護者の方もいらっしゃるかもしれません。
放課後等デイサービスでは、原則としてサービス利用料の1割を自己負担しますが、家庭の所得などに応じた1か月の負担上限額が設定されています。
そして神戸市では、独自の負担軽減も行われています。
ただし、
おやつ代や昼食代、外出時の費用などは別途必要になる場合がある
ということは覚えておきましょう。
大切なのは、
「だいたいこのくらいだろう」
と自己判断するのではなく、
自分の家庭の負担上限額と、利用したい事業所で別途必要になる費用の両方を確認することです。
料金について質問することを遠慮する必要はありません。
安心して長く利用するためにも、契約する前に分からないことを確認しておきましょう。
そして、料金だけではなく、
「この場所で、お子さんが安心して過ごせるか」
ということも大切にしながら、放課後等デイサービスを選んでいきましょう。
※利用者負担の仕組みや金額は、制度改正などによって変更される場合があります。また、自治体によって独自の負担軽減制度が設けられている場合があります。実際に利用するときは、お住まいの市区町村や利用する事業所で最新の情報をご確認ください。
放課後等デイサービスを探していると、
「気になる事業所を見つけたけれど、見学では何を見ればいいの?」
「説明を聞くだけで終わってしまいそう……」
「どんなことを質問したらいいのか分からない」
と悩む保護者の方もいらっしゃると思います。
ホームページを見ると、楽しそうな活動やきれいな施設が紹介されていることも多く、それだけでは違いが分かりにくいかもしれません。
だからこそ、実際の見学はとても大切です。
今回は、放課後等デイサービスを見学するときに確認しておきたいポイントを、できるだけ分かりやすくご紹介します。
① まず見てほしいのは「職員と子どもの関わり方」
見学すると、どうしても建物や設備に目が向きがちです。
もちろん、安全で過ごしやすい環境であることは大切です。
しかし、それ以上に見ていただきたいのが、
「職員が子どもたちとどのように接しているか」
です。
例えば、
・子どもの話をきちんと聞いているか
・分かりやすい言葉で話しているか
・必要以上に大きな声で注意していないか
・できないことを無理にさせていないか
・困っている子どもに落ち着いて対応しているか
・子どもによって関わり方を工夫しているか
などを見てみましょう。
子どもたちが失敗したときや、思い通りにならず困っているときの職員の対応には、その事業所の考え方が表れやすいものです。
② 子どもたちの表情を見てみましょう
次に見てほしいのは、利用している子どもたちの様子です。
全員が元気いっぱいに遊んでいる必要はありません。
静かに過ごすことが好きなお子さんもいますし、一人で遊ぶことで落ち着けるお子さんもいます。
大切なのは、
「それぞれの子どもが、その子なりの方法で安心して過ごせているか」
ということです。
職員の顔色を気にしながら過ごしていないか。
困ったときに職員へ助けを求められているか。
無理に全員が同じ活動をしていないか。
こうしたところにも目を向けてみましょう。
③ 一日の流れを聞いてみましょう
「今日は工作をしています」
という説明だけでは、普段どのように過ごしているのかまでは分かりません。
見学したら、
「普段の一日の流れを教えてください」
と聞いてみましょう。
学校へのお迎えから始まり、
事業所へ到着。
おやつ。
宿題。
自由時間。
活動。
帰宅。
など、一日の流れを説明してもらうと、実際にお子さんが利用する姿を想像しやすくなります。
④ 活動内容だけで決めないようにしましょう
放課後等デイサービスには、それぞれ特色があります。
運動。
音楽。
工作。
料理。
学習。
外出。
パソコン。
さまざまな活動があります。
魅力的なプログラムがあることは、事業所選びのポイントの一つです。
ただし、
「何をするか」だけでなく、「どのように支援しているか」
も確認してみましょう。
例えば運動が苦手なお子さんに対して、全員と同じことを無理にさせるのか。
その子ができる方法を一緒に考えてくれるのか。
同じ「運動をする事業所」でも、支援の考え方によって過ごしやすさは大きく変わります。
⑤ 苦手なことへの対応を聞いてみましょう
お子さんに苦手なことがある場合は、見学時に具体的に伝えてみることをおすすめします。
例えば、
「大きな音が苦手です」
「予定が急に変わると混乱することがあります」
「気持ちを言葉で伝えることが苦手です」
「人が多い場所では落ち着かなくなることがあります」
などです。
そのうえで、
「こういうときは、どのように対応されていますか?」
と聞いてみましょう。
具体的に説明してくれるかどうかも、事業所を判断する材料になります。
⑥ 落ち着ける場所があるか確認しましょう
にぎやかな環境が苦手なお子さんにとっては、活動内容だけでなく「休める場所」があることも重要です。
疲れたとき。
音が気になったとき。
気持ちが高ぶったとき。
そんなときに、一度集団から離れて落ち着ける場所があるか確認してみましょう。
必ず個室が必要というわけではありません。
その子が安心できる環境をどのように作っているのかを聞いてみることが大切です。
⑦ 安全面も確認しておきましょう
安心して利用するためには、安全への取り組みも大切です。
例えば、
・玄関から子どもが一人で外へ出てしまわないようになっているか
・危険なものが子どもの手の届く場所に置かれていないか
・避難経路が確保されているか
・室内が整理されているか
など、見学しながら確認してみましょう。
外出活動を行っている事業所であれば、
「外出するときは、どのような安全対策をしていますか?」
と質問してみてもよいでしょう。
⑧ 送迎について確認しましょう
放課後等デイサービスでは、学校や自宅への送迎を行っている事業所もあります。
ただし、送迎できる範囲や時間などは事業所によって異なります。
利用を考えている場合は、
・学校への迎えは可能か
・自宅まで送ってもらえるか
・送迎できる地域はどこまでか
・長期休暇中の送迎はどうなるか
などを確認しておきましょう。
「送迎あり」と書かれていても、自宅や学校が対象地域に入っているとは限りません。
⑨ 長期休暇の過ごし方も聞いてみましょう
夏休みや冬休みなどは、学校がある日とは利用時間や活動内容が変わることがあります。
例えば、
「夏休みは何時から利用できますか?」
「昼食は持参ですか?」
「長期休暇にはどんな活動をしていますか?」
「外出することはありますか?」
などを確認しておくと安心です。
学校が休みの日は利用時間が長くなるため、お子さんがどのように一日を過ごすのかを知っておくことは大切です。
⑩ 保護者との連絡方法を確認しましょう
お子さんが事業所でどのように過ごしているのかは、保護者として気になるところだと思います。
連絡帳。
アプリ。
電話。
送迎時の会話。
事業所によって連絡方法はさまざまです。
「今日何をしたのか」だけではなく、
「どんな様子だったのか」
「何ができたのか」
「何に困っていたのか」
などを共有してもらえるか確認してみましょう。
⑪ 職員に相談しやすい雰囲気か
子どもが長く利用することになれば、保護者と事業所との関係も大切になります。
利用しているうちに、
「最近、学校へ行きたがらない」
「家でこんな行動が増えてきた」
「進路について悩んでいる」
など、新しい悩みが出てくることもあります。
そんなときに、
「ちょっと相談してみよう」
と思える職員がいるかどうか。
見学の段階で、保護者の話をきちんと聞いてくれるかも見てみましょう。
⑫ できればお子さん本人にも見てもらいましょう
可能であれば、お子さんと一緒に見学したり、体験利用について相談したりしてみましょう。
保護者から見ると、
「設備もいいし、職員さんも優しい。ここがいい」
と思っていても、お子さん本人にとっては落ち着かない環境かもしれません。
反対に、保護者には少し地味に見える事業所でも、お子さんがとても安心して過ごせることもあります。
言葉で感想を伝えることが難しいお子さんの場合は、
表情。
声。
身体の動き。
帰りたがる様子。
また行きたがる様子。
なども参考になります。
⑬ 「良い事業所」より「その子に合う事業所」を
口コミで評判がいい。
設備が新しい。
活動が充実している。
家から近い。
どれも事業所を選ぶときの判断材料になります。
しかし、それだけで決める必要はありません。
活発なお子さんに合う場所と、静かな環境を好むお子さんに合う場所は違います。
大人数が楽しいお子さんもいれば、少人数の方が安心できるお子さんもいます。
「一般的に良い事業所か」だけではなく、「自分の子どもに合っているか」
という視点を大切にしてください。
見学のときに聞いておきたいこと
最後に、見学時に確認しておくとよいことをまとめます。
□ 一日の流れはどうなっていますか?
□ 普段はどのような活動をしていますか?
□ 子どもが活動に参加できないときは、どのように対応していますか?
□ パニックになったり気持ちが高ぶったりしたときは、どのように対応しますか?
□ 静かに休める場所はありますか?
□ 学校・自宅への送迎はできますか?
□ 夏休みなどの長期休暇は、どのように過ごしますか?
□ 保護者とはどのように連絡を取りますか?
□ 学校などと情報を共有することはありますか?
□ 見学後に体験することはできますか?
全部を質問する必要はありません。
お子さんにとって特に大切だと思うことを中心に確認してみてください。
最後に
放課後等デイサービスの見学では、
「設備がきれいだった」
「活動が楽しそうだった」
ということだけで決めるのではなく、
「ここで自分の子どもが安心して過ごせるだろうか」
という視点を持ってみてください。
そして、可能であれば一つの事業所だけで決めず、いくつか見学して比較してみることをおすすめします。
実際に見てみることで、
「同じ放課後等デイサービスでも、こんなに違うんだ」
と気づくことがあります。
保護者が安心できること。
そして何より、お子さん本人が安心して過ごせること。
その両方を大切にしながら、お子さんに合った場所を探していきましょう。
分からないことがあれば、見学する事業所に遠慮なく質問してください。
「何を聞けばいいのか分からない」
「見学したけれど、どこが自分の子どもに合っているのか判断できない」
という場合には、市区町村の窓口や福祉の相談窓口などに相談しながら考えていく方法もあります。
焦って決める必要はありません。
これからお子さんが長い時間を過ごす可能性がある場所だからこそ、実際に見て、聞いて、本人の様子を確認しながら選んでいきましょう。
※放課後等デイサービスの支援内容、利用時間、送迎、体験利用などは事業所によって異なります。実際に利用を検討する際は、それぞれの事業所へ直接ご確認ください。
「保育園の先生から、療育について相談してみてはと言われた」
「3歳児健診で、療育という言葉を初めて聞いた」
「発達が少し気になるけれど、療育に通った方がいいの?」
お子さんの発達について相談していると、「療育」という言葉を聞くことがあります。
初めて聞いた保護者の方にとっては、
「療育って何をするの?」
「病院とは違うの?」
「障害のある子どもだけが行くところ?」
など、分からないことも多いのではないでしょうか。
今回は、「療育とは何なのか」「どんなことをするのか」「いつ頃から考えればいいのか」について、できるだけ専門用語を使わずにご紹介します。
そもそも「療育」って何?
療育とは、発達に心配があったり、日常生活で困っていることがあったりするお子さんが、それぞれの成長や特性に合わせた支援を受けることです。
例えば、
・言葉がなかなか増えない
・人とのやりとりが苦手
・集団で過ごすことが難しい
・気持ちの切り替えが苦手
・着替えや食事などに時間がかかる
・身体の動かし方がぎこちない
・音や光などにとても敏感
など、お子さんによって困っていることは違います。
療育では、「みんなと同じことができるようにする」ことだけを目指すのではありません。
その子が得意なことや苦手なことを知り、その子に合った方法で生活しやすくなるように支えていくことが大切です。
療育ではどんなことをするの?
療育の内容は、施設やお子さんの年齢、必要としている支援などによって異なります。
例えば、遊びを通して、
・人とのやりとりを経験する
・順番を待つ練習をする
・自分の気持ちを伝える練習をする
・着替えや片付けなどを練習する
・身体を動かす
・手先を使った遊びをする
・少人数の活動に参加する
などがあります。
大人から見ると普通に遊んでいるように見えても、その遊びの中に、お子さんの成長を支える目的が含まれていることがあります。
「できないことを練習する場所」だけではありません
療育というと、
「できないことを繰り返し練習する場所」
というイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし、それだけではありません。
例えば、言葉で気持ちを伝えることが難しいお子さんなら、絵や写真などを使うことで気持ちを伝えやすくなる場合があります。
予定が突然変わると不安になりやすいお子さんなら、あらかじめ予定を分かりやすく伝えることで、安心して行動できることがあります。
つまり、
「子どもを環境に無理に合わせる」のではなく、「子どもが過ごしやすい方法を探す」
ということも大切な支援です。
何歳から療育を始めるの?
「療育は何歳から始めればいいですか?」
という疑問を持つ保護者の方もいらっしゃると思います。
「○歳になったら必ず始める」というものではありません。
お子さんの発達や生活の中で気になることがあり、支援が必要かもしれないと感じたときが、まず相談してみるタイミングの一つです。
例えば、
「言葉がなかなか増えない」
「保育園で集団活動に参加するのが難しい」
「毎日の生活で困ることが増えてきた」
などがあれば、相談してみてもよいでしょう。
相談したからといって、必ず療育を始めることになるわけではありません。
お子さんの様子を見てもらいながら、今どのような支援が必要なのかを一緒に考えてもらうことができます。
診断がないと療育を受けられないの?
「自閉症などの診断を受けていないと療育には通えない」
と思っている方もいるかもしれません。
しかし、診断がないからといって、相談そのものをためらう必要はありません。
お子さんの発達について気になることがあれば、市区町村の相談窓口などに相談することができます。
また、児童発達支援などの福祉サービスについても、障害者手帳の有無だけで利用できるかどうかが決まるわけではありません。
実際に利用できるかどうかは、お子さんの状況や自治体の確認などによって決まります。
そのため、
「診断されていないから相談できない」
と考えず、まずは相談してみることが大切です。
児童発達支援と療育は同じなの?
この二つは混同されやすい言葉です。
「療育」は、お子さんの発達を支えるための取り組みを幅広く表す言葉として使われています。
一方、「児童発達支援」は、主に小学校へ入学する前の支援が必要なお子さんが利用する福祉サービスです。
児童発達支援の事業所でも、お子さんの成長を支えるさまざまな取り組みが行われています。
そのため、日常的には児童発達支援のことを「療育」と呼んでいる場合もあります。
最初から言葉の違いを完全に理解する必要はありません。
大切なのは、
「自分の子どもには、どのような支援が合っているのか」
ということです。
保育園や幼稚園と一緒に通えるの?
保育園や幼稚園などに通いながら、児童発達支援などを利用しているお子さんもいます。
例えば、
「普段は保育園に通い、週に何回か児童発達支援を利用する」
という方法もあります。
利用方法は、お子さんの状況や事業所などによって異なります。
保育園や幼稚園に通っているから療育について相談できない、ということではありません。
療育先を選ぶときに大切なこと
療育を行っている場所は、それぞれ特徴が違います。
例えば、
運動を多く取り入れているところ。
少人数でゆっくり過ごすところ。
コミュニケーションを中心に支援しているところ。
遊びを中心にしているところ。
さまざまです。
大切なのは、
「評判がいいところ」ではなく、「その子に合っているところ」を探すことです。
できれば利用を決める前に見学してみましょう。
そのときは、プログラムの内容だけでなく、
・職員がお子さんにどのように声をかけているか
・子どもたちが安心して過ごしているか
・困っている子どもにどのように対応しているか
・保護者の話をきちんと聞いてくれるか
なども見てみてください。
「早く始めなければ」と焦りすぎないで
発達について調べると、
「早期療育が大切」
という言葉を目にすることがあります。
それを見て、
「もっと早く気づけばよかった」
「今からでは遅いのでは?」
と心配になる保護者の方もいるかもしれません。
早い段階からお子さんに合った支援について考えることには意味があります。
しかし、「早ければ早いほどよい」と単純に考える必要はありません。
大切なのは、開始する年齢だけではなく、お子さんの状況を理解し、その子に合った支援を考えることです。
焦って通う場所を決めるより、相談や見学をしながら、お子さんに合う方法を探していきましょう。
家庭でも「療育」をしなければいけないの?
療育について調べ始めると、
「家でも毎日トレーニングした方がいいのかな?」
と思うことがあるかもしれません。
家庭は、お子さんにとって生活する場所です。
何でも「練習」にしてしまうと、お子さんだけでなく保護者の方にも負担がかかってしまうことがあります。
専門機関などから家庭での関わり方についてアドバイスを受けた場合は、無理のない範囲で日常生活に取り入れてみましょう。
例えば、
「できたことを褒める」
「短く分かりやすい言葉で伝える」
「次にすることをあらかじめ伝える」
といった小さな工夫が、お子さんにとって分かりやすい環境につながることもあります。
最後に
「療育に行った方がいいと言われた」
その言葉を聞いて、不安になってしまう保護者の方もいらっしゃると思います。
しかし、療育について相談することは、お子さんに何かを決めつけることではありません。
「この子が毎日の生活を少しでも過ごしやすくするには、どんな方法があるだろう?」
と考えるための選択肢の一つです。
苦手なことだけに目を向けるのではなく、
好きなこと。
得意なこと。
安心できること。
楽しめること。
そうした部分も大切にしながら、その子に合った支援を考えていきましょう。
そして、
「療育が必要なのか分からない」
「どこへ相談したらいいの?」
「どんな施設を選べばいいの?」
と迷ったときは、一人で判断しようとせず、お住まいの市区町村の相談窓口などに相談してみてください。
最初から答えを出す必要はありません。
お子さんの様子を見ながら、一つずつ、その子に合った方法を探していきましょう。
※療育に関する相談方法や児童発達支援などの利用条件・手続きは、自治体やお子さんの状況によって異なります。実際に利用を検討する際は、お住まいの市区町村などで最新の情報をご確認ください。
2026年8月9日 19:51投稿
「3歳児健診で、発達について相談してみてはと言われた」
「保育園で、集団生活が少し苦手なようですと言われた」
「言葉がなかなか増えなくて心配……」
お子さんの発達について相談している中で、初めて「児童発達支援」という言葉を聞いた保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
名前だけを見ると少し難しそうですが、簡単にいうと、発達に心配があるお子さんなどが、日常生活や人との関わりに必要な力を身につけていくための支援を受けられる場所です。
今回は、児童発達支援とはどのようなサービスなのか、どんな子どもが利用できるのか、利用するまでの流れをできるだけ分かりやすくご紹介します。
児童発達支援ってどんなところ?
児童発達支援は、主に小学校へ入学する前の、支援を必要とするお子さんが利用する福祉サービスです。
例えば、
・言葉の発達がゆっくりしている
・人とのコミュニケーションが苦手
・集団で行動することが難しい
・気持ちを切り替えることが苦手
・身の回りのことを一人でするのが難しい
・身体の動かし方について支援が必要
など、お子さんによって必要な支援はさまざまです。
児童発達支援では、お子さん一人ひとりの様子に合わせながら、遊びや活動などを通して成長を支えていきます。
児童発達支援では何をするの?
実際の活動内容は、事業所によってかなり違います。
例えば、
・遊びを通して人との関わり方を経験する
・あいさつや会話などのコミュニケーションを練習する
・着替えや片付けなど、日常生活に必要なことを練習する
・身体を動かす活動をする
・絵を描いたり工作をしたりする
・集団で遊ぶ経験をする
などがあります。
机に座って何かを「勉強する」だけではありません。
遊びや毎日の活動そのものがお子さんの成長につながるよう、それぞれの事業所が工夫しています。
「療育」とは違うの?
「療育」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
療育は、お子さんの発達を支えるための取り組みを幅広く表す言葉として使われています。
そのため、
「児童発達支援=療育」
と説明されることもありますが、厳密には同じ意味の言葉ではありません。
児童発達支援は法律で定められている福祉サービスの一つで、その中でお子さんの発達を支えるさまざまな取り組みが行われています。
最初は難しく考えなくても大丈夫です。
「子どもの成長を一緒に支えてくれる場所の一つ」
くらいから理解していけばよいでしょう。
障害の診断がないと利用できないの?
ここは保護者の方が特に気になるところだと思います。
「まだ障害と診断されたわけではない」
「障害者手帳も持っていない」
「それでも相談していいの?」
と思われるかもしれません。
児童発達支援の利用については、必ずしも障害者手帳を持っていることだけが条件になるわけではありません。
お子さんの発達の状況などから支援が必要と判断され、利用につながる場合があります。
ただし、誰でも自由に利用できるサービスではなく、市区町村による確認や手続きが必要です。
「うちの子は対象になるのかな?」
と思ったら、ご自身だけで判断せず、お住まいの市区町村の窓口に相談してみましょう。
保育園や幼稚園に通いながら利用できる?
保育園や幼稚園などに通いながら児童発達支援を利用しているお子さんもいます。
例えば、
「普段は保育園へ通い、決まった曜日に児童発達支援を利用する」
といった利用方法もあります。
利用する日数や時間などは、お子さんの状況や利用する事業所などによって異なります。
「保育園に通っているから利用できない」と考える必要はありません。
現在通っている園がある場合は、そのことも含めて相談してみてください。
利用したいと思ったら、まず何をすればいい?
「児童発達支援を利用してみたい」
と思っても、いきなり事業所と契約して利用を始めるわけではありません。
まずは、お住まいの市区町村の子どもの発達や障害福祉を担当する窓口などへ相談します。
自治体によって手続きは異なりますが、大まかには、
① 市区町村などへ相談する
↓
② お子さんの様子や困っていることについて相談する
↓
③ 必要な申請などを行う
↓
④ サービスを利用するための「受給者証」の発行を受ける
↓
⑤ 利用する児童発達支援事業所を決める
↓
⑥ 事業所と契約する
↓
⑦ 利用開始
という流れになります。
実際の手続きや順番、必要な書類などは自治体やお子さんの状況によって異なる場合があります。
分からない場合は、
「児童発達支援について相談したいのですが」
と市区町村の窓口へ伝えてみましょう。
最初から制度の名前や手続きをすべて理解しておく必要はありません。
事業所はどこでも同じではありません
児童発達支援を利用するときに、ぜひ知っておいていただきたいことがあります。
それは、事業所によって支援内容や雰囲気がかなり違うということです。
少人数でゆっくり活動するところ。
身体を動かす活動に力を入れているところ。
コミュニケーションの練習を大切にしているところ。
遊びを中心にしているところ。
それぞれに特徴があります。
そのため、
「家から一番近いから」
「有名だから」
という理由だけで決めるのではなく、できれば実際に見学してみることをおすすめします。
見学では何を見ればいい?
見学するときは、設備の新しさやきれいさだけでなく、職員と子どもたちの関わり方を見てみましょう。
例えば、
・職員が子どもの話をきちんと聞いているか
・子どもに分かりやすい言葉で話しているか
・できないことを無理にさせていないか
・困っている子どもに落ち着いて対応しているか
・子どもたちが安心した様子で過ごしているか
なども大切なポイントです。
そして、
「自分の子どもがここで過ごしている姿を想像できるか」
ということも考えてみてください。
「早く始めなければ」と焦りすぎないことも大切です
お子さんの発達が気になり始めると、
「早く何かしなければ」
と焦ってしまうこともあると思います。
もちろん、気になることがあれば早めに相談することは大切です。
しかし、「早く利用すること」だけが目的になってしまわないようにしましょう。
大切なのは、
お子さんにどのような支援が必要なのかを考えることです。
お子さんによって成長のペースも、得意なことも、苦手なことも違います。
その子に合った方法を、周りの人たちと一緒に考えていくことが大切です。
最後に
お子さんの発達について、
「ほかの子と少し違うかもしれない」
と感じたとき、不安になるのは当然だと思います。
しかし、最初から答えを出す必要はありません。
児童発達支援を利用するかどうかについても、まず相談して、話を聞いてから考えることができます。
そして、児童発達支援を利用することになった場合も、
「苦手なことをできるようにする」
ことだけに目を向けるのではなく、
「この子が得意なことは何だろう」
「どんなときに楽しそうにしているだろう」
という視点も大切にしてみてください。
できないことだけを見るのではなく、できることや好きなことを増やしていく。
それも、お子さんの成長を支える大切な方法の一つです。
「発達について相談した方がいいのかな?」
「児童発達支援を利用できるのかな?」
「どんな事業所を選べばいいのか分からない」
そんなときは、一人で答えを出そうとせず、市区町村の窓口や発達について相談できる機関などに相談してみてください。
分からないことを一つずつ整理しながら、お子さんに合った支援を探していきましょう。
※児童発達支援の利用条件、申請方法、必要書類などは自治体やお子さんの状況によって異なる場合があります。実際に利用を検討する際は、お住まいの市区町村などへ最新の情報をご確認ください。
「同じ年齢の子と比べて、言葉が少ない気がする」
「名前を呼んでも、あまり振り向かない」
「落ち着きがなく、じっとしていることが難しい」
「こだわりが強く、予定が変わるとパニックになってしまう」
「保育園や学校から、発達について一度相談してみてはと言われた」
お子さんの成長について、このようなことが気になったとき、
「でも、どこに相談したらいいの?」
と迷ってしまう保護者の方もいらっしゃると思います。
病院へ行くべきなのか。
区役所へ相談するのか。
それとも、専門の施設を探すのか。
初めてのことであれば、分からなくて当然です。
今回は、神戸市にお住まいの方に向けて、発達が気になったときの主な相談先をご紹介します。
まず相談するなら「お住まいの区役所・支所」
「発達が気になるけれど、どこへ行けばいいのか全く分からない」
そんなときは、まず、お住まいの区役所・支所の子どもの保健を担当している窓口へ相談してみましょう。
保健師などが、お子さんの発育や発達についての相談に対応しています。
例えば、
「3歳になったけれど、あまり言葉が出ません」
「お友だちとうまく遊べないことが気になります」
「保育園から発達について相談するよう勧められました」
といった相談でも構いません。
相談した結果、もう少し詳しく見てもらった方がよい場合には、必要に応じて専門の相談先や医療機関などを案内してもらえます。
「相談するほどのことなのかな?」という段階でも、まず話してみることが大切です。
乳幼児健診も大切な相談の機会です
神戸市では、乳幼児の成長を確認するための健診が行われています。
健診は、身長や体重を測るだけの場所ではありません。
お子さんの成長や発達、育児などについて相談することもできます。
「家ではできるのに、健診ではできなかった」
「健診で発達について何か言われるのが怖い」
と心配される方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、健診はお子さんを評価するためだけの場所ではなく、困っていることや気になっていることを相談できる大切な機会でもあります。
気になることがあれば、小さなことでも伝えてみましょう。
もう少し専門的に相談したい場合は「こども家庭センター」
神戸市には、18歳未満のお子さんやご家族について相談できる「こども家庭センター」があります。
発達の遅れについても相談することができます。
区役所などへ相談した後、より専門的な相談が必要な場合に案内されることもあります。
「発達について詳しく相談したい」
「子どもの特性について知りたい」
「今後、どのような支援を考えればいいのか分からない」
といったときの相談先の一つです。
相談は無料で、電話で相談することもできます。
【神戸市こども家庭センター】
電話:078-599-7300
対象:神戸市に住む18歳未満のお子さんと、その保護者など
電話相談:平日 8時45分~17時30分
来所して相談する場合は、事前に電話で確認・予約しておくと安心です。
診察やリハビリなどについて相談したい場合
神戸市には、子どもの障害について相談・診察などを行う療育センターがあります。
例えば、
「専門的に子どもの発達をみてもらいたい」
「運動や身体の発達についても気になる」
「今後どのような支援が必要なのか相談したい」
といった場合の相談先になります。
療育センターは医療機関でもあるため、受診方法や予約などについて、事前に確認しておきましょう。
また、療育センター以外の医療機関で発達について相談できる場合もあります。
どこを受診すればいいのか分からない場合は、まず区役所などに相談してみるのも一つの方法です。
学校生活や就学について心配なとき
小学校への入学を控えて、
「普通の学級で大丈夫なのかな?」
「学校でどのような支援を受けられるの?」
と心配になることもあると思います。
また、小学生や中学生になってから、
「授業についていくことが難しい」
「集団行動が苦手」
「学校生活で困っていることが増えてきた」
と感じることもあります。
神戸市には、特別支援教育について相談できる窓口があります。
学校生活や就学について心配な場合は、通っている園や学校に相談するとともに、こうした教育関係の相談窓口を利用する方法もあります。
保育園・幼稚園・学校にも相談してみましょう
毎日お子さんと接している先生も、大切な相談相手です。
家庭では気づかなかったお子さんの様子を教えてもらえることがあります。
反対に、
「家ではこんなことがあります」
と家庭での様子を先生に伝えることで、園や学校での支援につながることもあります。
家庭と園・学校のどちらか一方だけで考えるのではなく、お互いに情報を共有することが大切です。
「病院に行くべき?」と迷ったら
発達が気になったからといって、必ず最初から病院を探さなければならないわけではありません。
もちろん、かかりつけの小児科などへ相談することも選択肢の一つです。
しかし、
「そもそも病院へ行くべきなのか分からない」
という場合には、まず区役所・支所の保健担当などへ相談し、必要な相談先を一緒に考えてもらう方法があります。
相談するときは簡単なメモがあると便利です
相談に行く前に、お子さんについて気になっていることを書き出しておくと話しやすくなります。
例えば、
・いつ頃から気になっているのか
・言葉はどのくらい話すのか
・どんな遊びが好きなのか
・苦手なことは何か
・保育園や学校ではどのように過ごしているのか
・家庭で特に困っていることは何か
などです。
専門的な言葉を使う必要はありません。
普段のお子さんの様子を、そのまま伝えれば大丈夫です。
どこへ相談するか迷ったときの目安
最後に、相談先を簡単に整理してみましょう。
「発達が気になる。まず誰かに相談したい」
→ お住まいの区役所・支所の保健担当
「乳幼児健診で気になることを相談したい」
→ 乳幼児健診の際に相談
「発達について、もう少し専門的に相談したい」
→ こども家庭センターなど
「診察やリハビリなどについて相談したい」
→ 療育センターや医療機関など
「小学校への入学や学校生活について相談したい」
→ 園・学校、特別支援教育の相談窓口など
最初から「正しい相談先」を自分だけで見つける必要はありません。
最初に相談した窓口から、必要に応じて別の相談先を案内してもらうこともできます。
最後に
お子さんの発達について気になることがあると、
「もう少し様子を見た方がいいのかな」
「相談したら、何か診断されるのでは?」
「私が気にしすぎているだけかもしれない」
と迷うこともあると思います。
しかし、相談することと、何かを決めることは別です。
相談したからといって、すぐに診断や福祉サービスの利用が決まるわけではありません。
「ちょっと気になる」
その段階で相談しても構いません。
そして、相談した結果、
「今は少し様子を見ていきましょう」
となることもあります。
大切なのは、保護者の方だけで悩み続けないことです。
お子さんの成長について気になることがあれば、まず身近な相談先に話してみてください。
必要な支援があるのであれば、早めに知ることで選択肢を増やすこともできます。
「どこに相談したらいいか分からない」というところから、一つずつ整理していきましょう。
※相談窓口の名称、受付時間、利用方法などは変更される場合があります。実際に相談する際は、神戸市の最新情報をご確認ください。
2026年8月9日 19:45投稿
「放課後等デイサービスを利用したいと思って問い合わせたら、『受給者証はありますか?』と聞かれた。」
「受給者証って、障害者手帳とは違うの?」
初めて福祉サービスを利用するとき、この「受給者証」という言葉で戸惑う保護者の方もいらっしゃると思います。
名前だけを見ると少し難しそうですが、必要以上に身構える必要はありません。
今回は、障害児通所受給者証とは何なのか、申請からサービスを利用するまでの流れを、できるだけ分かりやすくご紹介します。
そもそも「受給者証」って何?
障害児通所受給者証は、放課後等デイサービスや児童発達支援などの福祉サービスを利用する際に必要となるものです。
簡単にいえば、
「この福祉サービスを、このような内容で利用できます」
ということを、お住まいの市区町村が確認して発行するものです。
「障害者手帳を持っていないと申請できないのでは?」
と思われるかもしれませんが、受給者証と障害者手帳は別のものです。
障害者手帳を持っていなくても、お子さんの状況などによってはサービスの利用が認められる場合があります。
「手帳がないから利用できない」と自己判断せず、まずは市区町村の窓口に相談してみましょう。
まずは市区町村の窓口へ相談しましょう
放課後等デイサービスや児童発達支援などを利用したいと思ったら、まず、お住まいの市区町村で障害のあるお子さんの福祉を担当している窓口へ相談します。
窓口の名称は自治体によって異なります。
「どこの窓口か分からない」という場合は、市役所や区役所の総合案内などで、
「子どもの放課後等デイサービスを利用したいのですが、受給者証について相談できる窓口はどこですか?」
と尋ねれば案内してもらえるでしょう。
すべての手続きを最初から理解しておく必要はありません。
分からないことは、窓口で一つずつ確認していきましょう。
申請するときには何をするの?
具体的な手続きは自治体によって異なりますが、一般的には申請書類を提出し、お子さんやご家庭の状況、どのようなことで困っているのか、どのような支援を必要としているのかなどについて確認が行われます。
例えば、
「集団の中で過ごすことが苦手」
「コミュニケーションについて支援を受けたい」
「学校が終わった後に安心して過ごせる場所が必要」
など、お子さんやご家庭によって状況はさまざまです。
上手に説明しようとする必要はありません。
普段の生活で困っていることや、「こうなってくれたらいいな」と思っていることを、ご自身の言葉で伝えてみてください。
事前にメモを作っておくと安心です
役所の窓口では、緊張して伝えたかったことを忘れてしまうこともあります。
そのため、相談する前に、
・お子さんの普段の様子
・家庭や学校などで困っていること
・できるようになってほしいこと
・利用を考えているサービス
・どのくらい利用したいのか
などを簡単にメモしておくとよいでしょう。
きれいな文章にする必要はありません。
箇条書き程度で十分です。
「利用計画」を作ることがあります
申請の途中で、お子さんがどのような支援を必要としていて、どのようにサービスを利用していくのかをまとめた「利用計画」が必要になることがあります。
専門の相談員に作成をお願いする方法のほか、自治体によっては保護者などが作成した計画を提出できる場合もあります。
ここは初めての方には少し分かりにくいところです。
「利用計画はどうすればいいですか?」
と窓口で確認してみてください。
必要な方法を案内してもらえます。
受給者証が発行されたら内容を確認しましょう
手続きが進み、サービスの利用が認められると受給者証が発行されます。
受け取ったら、そのまま保管するのではなく、書かれている内容を確認しておきましょう。
利用できるサービスや利用できる日数など、大切な情報が記載されています。
分からないところがあれば、市区町村の窓口や相談員などに確認しましょう。
受給者証があれば自動的に利用できるわけではありません
ここも大切なポイントです。
受給者証が発行されたからといって、自動的に放課後等デイサービスなどへ通えるようになるわけではありません。
実際に利用する事業所を探して、見学などを行い、利用について事業所と相談する必要があります。
そして利用する事業所が決まったら、契約などの手続きを行い、実際の利用が始まります。
そのため、受給者証の手続きと並行して、気になる事業所を探しておくのも一つの方法です。
申請から利用開始までの流れ
大まかな流れを整理すると、
① 市区町村の窓口へ相談する
↓
② 受給者証の申請をする
↓
③ お子さんやご家庭の状況について確認を受ける
↓
④ 必要に応じて利用計画を作る
↓
⑤ 市区町村による確認・決定
↓
⑥ 受給者証が発行される
↓
⑦ 利用する事業所と契約する
↓
⑧ サービスの利用開始
という流れになります。
ただし、自治体やお子さんの状況などによって手続きの順番や必要な書類が異なる場合があります。
必ずお住まいの市区町村で確認してください。
「診断を受けたら考える」ではなく、困ったらまず相談を
保護者の方の中には、
「まだ診断を受けていないから相談するのは早いのでは?」
と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、お子さんについて気になることがあり、生活の中で困っているのであれば、まず相談してみることが大切です。
相談したからといって、必ず福祉サービスを利用しなければならないわけではありません。
話を聞いてもらった結果、別の支援や相談先を案内してもらえることもあります。
「利用できるか分からないから相談しない」のではなく、
「利用できるか分からないから相談してみる」
くらいに考えてみてはいかがでしょうか。
最後に
「障害児通所受給者証」
初めて聞くと、とても難しい制度のように感じるかもしれません。
申請書類、利用計画、事業所探し……。
初めて経験する保護者の方にとって、分からないことがあるのは当然です。
最初からすべてを理解する必要はありません。
まずは、
「子どものことで困っていて、福祉サービスについて相談したい」
と市区町村の窓口に伝えるところから始めてみてください。
そして、放課後等デイサービスなどを探すときも、名前や立地だけで決めるのではなく、できれば実際に見学して、お子さんに合った場所なのかを確認してみましょう。
制度を利用することそのものが目的ではありません。
大切なのは、必要な支援につながることで、お子さんとご家族が少しでも安心して毎日を過ごせるようになることです。
分からないことを一つずつ確認しながら、お子さんに合った支援を探していきましょう。
2026年8月9日 19:32投稿
お子さんが高校生くらいになると、
「学校を卒業した後は、どこで過ごすの?」
「放課後等デイサービスは卒業したらどうなるの?」
「働くことが難しい場合は、どんな場所があるの?」
このような不安を感じる保護者の方もいらっしゃると思います。
障害のある方が学校卒業後などに利用できる福祉サービスの一つに、**「生活介護」**があります。
名前だけを見ると「介護を受ける施設」というイメージを持つかもしれませんが、生活介護事業所では、日常生活の支援だけでなく、創作活動や軽作業、外出など、さまざまな活動が行われています。
今回は、生活介護事業所とはどのようなところなのか、できるだけ分かりやすくご紹介します。
生活介護事業所ってどんなところ?
生活介護事業所は、障害などによって日常生活に継続した支援が必要な方が、主に日中を過ごす場所です。
食事や着替え、移動などのサポートを受けながら、その人に合った活動をして過ごします。
「できないことを代わりにしてもらう場所」というだけではありません。
本人ができることを大切にしながら、生活する力を維持したり、活動を楽しんだり、地域とのつながりを持ったりすることも大切な役割です。
どんな人が利用できるの?
生活介護は、障害があり、日常生活の中で継続した支援を必要とする方を対象としたサービスです。
ただし、障害があれば誰でも同じ条件で利用できるわけではありません。
年齢や必要な支援の程度などによって利用できる条件が決められています。
「うちの子は利用できるのかな?」
と思ったときは、ご自身だけで判断せず、お住まいの市区町村の障害福祉を担当する窓口や、普段利用している相談窓口などに確認してみましょう。
生活介護では何をして過ごすの?
これは事業所によって大きく異なります。
例えば、
・散歩や運動
・音楽やレクリエーション
・絵画や工作などの創作活動
・簡単な作業
・買い物や外出
・季節に合わせた行事
・食事や着替え、トイレなどの生活上のサポート
などがあります。
毎日同じ活動をする事業所もあれば、曜日によってさまざまな活動を取り入れている事業所もあります。
そのため、生活介護事業所を選ぶときは、「生活介護ならどこでも同じ」と考えないことが大切です。
「働く場所」とは少し違います
生活介護について考えるとき、保護者の方が迷いやすいのが、
「生活介護と、障害のある人が働く福祉サービスは何が違うの?」
という点です。
生活介護でも軽作業などを行うことがありますが、基本的には「働くこと」だけを目的とした場所ではありません。
本人の体調や障害の特性に合わせて、必要な支援を受けながら日中を過ごし、生活の安定や活動の機会をつくることが大切な目的です。
そのため、「働くことが難しいから何もしない」ということではありません。
一人ひとりに合った形で、社会とのつながりや役割を持つことができます。
事業所によって雰囲気はかなり違います
生活介護事業所を探すときに、ぜひ覚えておいていただきたいことがあります。
それは、事業所によって活動内容や雰囲気がかなり違うということです。
にぎやかに活動することが多い事業所もあれば、落ち着いた環境でゆっくり過ごすことを大切にしている事業所もあります。
外出活動が多いところ、作業に力を入れているところ、運動や創作活動を多く取り入れているところなど、それぞれに特徴があります。
大切なのは、評判だけで決めるのではなく、本人に合っているかどうかを見ることです。
できれば本人と一緒に見学してみましょう
生活介護事業所を選ぶときは、できるだけ実際に見学してみることをおすすめします。
職員がどのように利用者の方と接しているのか。
利用している方がどのような表情で過ごしているのか。
室内は落ち着いて過ごせる環境なのか。
どのような活動をしているのか。
ホームページやパンフレットだけでは分からないことがたくさんあります。
可能であれば、本人と一緒に見学や体験利用をしてみるとよいでしょう。
本人が言葉で感想を伝えることが難しい場合でも、表情や行動などから「ここでは落ち着いているな」「少し緊張しているな」と感じ取れることがあります。
高校卒業の直前ではなく、少し早めに考えてみる
特別支援学校などに通っている場合、学校でも卒業後の進路について相談する機会があります。
まだ先のことだからと考えず、少し早めに情報を集めておくことをおすすめします。
実際に見学してみると、
「思っていた雰囲気と違った。」
ということもあります。
反対に、
「こんな活動をしているところもあるんだ。」
と、新しい選択肢が見つかることもあります。
本人が安心して通える場所を探すためにも、時間に余裕を持って考えていきましょう。
最後に
学校を卒業することは、本人にとってもご家族にとっても大きな環境の変化です。
それまで毎日通っていた学校がなくなり、新しい場所での生活が始まります。
だからこそ、単に「通えるところ」を探すのではなく、
「この人が、この場所でどんな毎日を過ごすのか」
という視点で考えてみてください。
生活介護事業所には、それぞれ異なる特徴があります。
活動内容、職員との関わり方、事業所の雰囲気、本人の表情など、いろいろな面を見ながら、その人に合った場所を探していくことが大切です。
そして、
「生活介護がいいのか分からない。」
「卒業後の進路をどう考えればいいの?」
「どこに相談すればいいのか分からない。」
そんなときは、一人で悩まず、学校や市区町村の窓口、福祉の相談窓口などを頼ってみてください。
卒業後も、その人らしい生活は続いていきます。
焦らず、一つずつ、その人に合った選択肢を探していきましょう。
2026年8月6日 19:40投稿
お子さんのために放課後等デイサービスを探し始めると、
「事業所がたくさんあって、何を基準に選べばいいの?」
「家から近ければ十分?」
「ホームページだけでは違いが分からない。」
そんな悩みを持つ保護者の方は少なくありません。
実は、放課後等デイサービスは事業所ごとに支援の内容や雰囲気が大きく異なります。
だからこそ、見学や体験を通して、お子さんに合った場所を選ぶことが大切です。
まずは「お子さんに合うか」を一番に考えましょう
「人気があるから」
「新しくてきれいだから」
「家から近いから」
もちろん、これらも大切なポイントです。
しかし、それ以上に大切なのは、お子さんが安心して過ごせる場所かどうかです。
人が多い場所が苦手なお子さんもいれば、友だちと元気に活動することが好きなお子さんもいます。
お子さんの性格や特性に合った環境を選ぶことが、長く安心して利用するための第一歩です。
必ず見学に行きましょう
ホームページやパンフレットだけでは分からないことがたくさんあります。
見学では、次のような点を見てみましょう。
・子どもたちが笑顔で過ごしているか
・職員が子どもたちに優しく声をかけているか
・困っている子どもに落ち着いて対応しているか
・部屋の中が整理され、安全に過ごせる環境になっているか
施設の設備だけでなく、「どんな雰囲気なのか」を感じることも大切です。
職員が話をしっかり聞いてくれるか
見学のときに、お子さんのことを丁寧に聞いてくれる事業所は安心感があります。
例えば、
「好きなことは何ですか?」
「苦手なことはありますか?」
「ご家庭で困っていることはありますか?」
このように、お子さん一人ひとりを知ろうとする姿勢があるかを見てみましょう。
質問に対して分かりやすく説明してくれるかどうかも、大切なポイントです。
活動内容だけで決めない
「英語があります。」
「運動に力を入れています。」
「プログラミングが学べます。」
こうした活動は魅力的ですが、それだけで選ぶのはおすすめできません。
お子さんが安心して過ごせる環境があってこそ、活動を楽しむことができます。
「どんな活動をするか」だけでなく、「どのように子どもと関わっているか」にも目を向けてみてください。
分からないことは遠慮なく質問しましょう
見学では、気になることをそのまま質問して大丈夫です。
例えば、
・一日の流れはどうなっていますか。
・送迎はどのように行っていますか。
・困った行動があったときは、どのように対応していますか。
・保護者との連絡はどのように行っていますか。
質問への答え方からも、その事業所の考え方や姿勢を知ることができます。
一か所だけで決めないことも大切です
時間が許せば、二~三か所見学してみることをおすすめします。
比べてみることで、それぞれの特徴がよく分かります。
「ここなら安心してお願いできそう。」
そう思える事業所に出会えることが、お子さんにとっても、ご家族にとっても大切です。
最後に
放課後等デイサービス選びに「絶対に正しい答え」はありません。
大切なのは、お子さんが安心して過ごせること、保護者の方が安心して相談できることです。
焦って決める必要はありません。
見学や体験を重ねながら、お子さんに合った場所を探していきましょう。
お子さんが「また行きたい」と笑顔で話してくれる場所こそ、その子にとって良い環境である可能性が高いと言えます。
迷ったときは、一人で悩まず、信頼できる相談先に相談しながら進めていきましょう。
2026年7月26日 11:28投稿
3歳児健診で、
「少し発達がゆっくりかもしれませんね。」
「一度、専門機関に相談してみませんか。」
このように言われると、多くの保護者の方は驚き、不安になります。
「何か育て方が悪かったのかな。」
「将来、大丈夫なのかな。」
「うちの子だけなの?」
そんな気持ちになるのは、ごく自然なことです。
でも、まずお伝えしたいことがあります。
その場で結論が出るわけではありません。
3歳という時期は、言葉や行動、人との関わり方などに大きな個人差があります。
健診は「診断」をする場ではなく、「少し気になるところがあるので、一緒に様子を見ていきましょう」というきっかけを見つける場です。
だからこそ、まずは落ち着いてください。
最初にしてほしいことは「一人で悩まないこと」
保護者の方の中には、誰にも相談せずに何か月、何年も悩み続けてしまう方もいます。
しかし、困ったときは一人で抱え込まなくて大丈夫です。
市区町村の子どもに関する相談窓口や発達相談を利用すると、お子さんの様子を一緒に見ながら、必要な支援や過ごし方について教えてもらえます。
相談したからといって、すぐに何かが決まるわけではありません。
「今の様子を知るため」の相談でも大丈夫です。
家庭でできること
毎日の生活の中で、お子さんの様子を少しだけ意識してみましょう。
例えば、
・どんな遊びが好きなのか
・どんな言葉を話すのか
・名前を呼ぶと振り向くか
・困ったときにどんな行動をするのか
こうしたことをメモしておくと、相談するときに役立ちます。
特別な記録をつける必要はありません。
「今日はこんなことができた。」
そんな小さな成長を書き留めるだけでも十分です。
他の子と比べすぎない
公園や保育園で周りのお子さんを見ると、
「あの子はもう○○ができるのに…。」
と思ってしまうことがあるかもしれません。
でも、子どもの成長する速さは一人ひとり違います。
比べるなら、昨日のわが子と比べてみてください。
「少し言葉が増えた。」
「笑顔が増えた。」
「できることが一つ増えた。」
そんな変化を見つけることが、お子さんの成長を支える大きな力になります。
最後に
3歳児健診で「発達が気になりますね」と言われても、必要以上に自分を責める必要はありません。
早めに相談することは、お子さんにとっても、ご家族にとっても、より良い方法を一緒に見つけるための第一歩です。
焦らなくて大丈夫です。
一人で抱え込まず、相談できる場所を頼りながら、お子さんのペースに合わせて歩んでいきましょう。
お子さんの成長には、それぞれのペースがあります。
その歩みを温かく見守りながら、必要なときには周りの力を借りることも、子育ての大切な選択の一つです。
2026年7月26日(日) 11:00投稿
はじめまして。
このコラムをご覧いただき、ありがとうございます。
私は保育士ではなく、子育ての当事者でもありません。
そのため、「子育てを経験した立場」としてお話しすることはできません。
一方で、放課後等デイサービスや生活介護事業所で勤務し、自閉症、知的障害、ダウン症、脳性まひなど、さまざまな障害のあるお子さんや利用者の方々への支援に携わってきました。
また、保護者の方々から子育てや進路、福祉サービスに関する悩みや不安を伺う機会も多く、「どこへ相談すればいいか分からない」「制度が複雑で難しい」という声を数多く耳にしてきました。
このコラムでは、福祉現場で培った経験や制度に関する知識をもとに、子育てや障害福祉について、できるだけ分かりやすくお伝えしていきます。
私がお約束したいのは、「分からないことを分かったふりはしない」ということです。
正確な情報をお伝えし、一人ひとりの状況に合わせて、一緒に解決の糸口を探していける存在でありたいと考えています。
子育てや福祉のことで悩んだとき、「まずは相談してみよう」と思っていただけるような情報を発信していきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
【参考機関】
子育てや障害福祉制度について詳しく知りたい方は、次のホームページも参考になります。
神戸市 福祉
https://www.city.kobe.lg.jp/
こども家庭庁
https://www.cfa.go.jp/